【年頭所感】全国旅行業協会(ANTA)会長 二階俊博氏 ―再生への道筋と課題へ、官民が一致団結へ

全国旅行業協会(ANTA)会長の二階俊博氏が、2024年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。

二階会長は2024年を「旅行業界の再生への道筋と課題が見えてきた中で迎える新たな一年」と位置づけ、事業者、旅行業協会、関連省庁などが一致団結して取り組むことが重要だと指摘。持続可能な観光地域や旅行の多様化、高付加価値商品の造成と促進、観光DX化などに取り組む意欲を示した。

また、海外旅行やインバウンドの国際往来も平和産業としての観光の意義であり、多くの日本人が外国の文化に触れ、多くの外国人が日本の文化の素晴らしさを経験する機会の重要性を指摘。ANTAが先頭となって、2024年がさらなる飛躍を遂げる年となるよう、奮起を呼びかけた。

発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。


年頭所感

明けましておめでとうございます。新しい年を迎えるにあたり、ご挨拶を申し上げます。

2023年は、5月に新型コロナの感染症法上の位置づけが5類へと引き下げられたことで、観光業も国内旅行や訪日旅行を中心に賑わいを取り戻し始め、観光の再生に向けた大きな一歩を踏み出した年となりました。その一方で、オーバーツーリズム、団体旅行の需要回復の遅れ、物価の高騰、宿泊機関や運送事業者などのサービス提供機関の人手不足など、様々な懸案事項が顕在化する年でもありました。

旅行業界の再生への道筋と課題が見えてきた中で迎える新たな一年は、我が国が目指す観光立国の実現に向けて、旅行業界が飛躍する年にしなければなりません。そのためにも、事業者、旅行業協会、関連省庁などが一致団結し、同じゴールを目指して歩みを進めていくことが肝要となります。我々、旅行業協会も、持続可能な観光地域づくり、多様化する旅行ニーズへの対応、利益率の高い高付加価値商品の造成促進、観光DX化への取り組みなど、新たな旅行業界の姿を業界内外に向けて発信し、旅行機運を高めるとともに、会員の皆様の力が十分に発揮できる環境の整備に努めてまいりたいと存じます。

また、本年2月15日には愛知県名古屋市で「第18回国内観光活性化フォーラム in あいち」を開催いたします。本フォーラムは、当協会47支部組織、全国のANTA会員並びに観光関係の皆様が一堂に会し、開催地の愛知県への送客を促進するとともに、国内旅行及び地域観光の更なる需要拡大を図ることを目的とした大会となります。本フォーラムが旅行業界の活性化を導く、実り大きいものとなるよう全力を尽くしてまいります。

さらに、海外旅行やインバウンドの国際往来につきましても、近隣諸国を中心に、より活発な交流が行われるよう取り組んでまいります。私はかねてから「観光は平和産業」と申し述べておりますが、国際交流が盛んになることで、お互いの国への理解が深まり、国民同士の絆が結ばれ、新たな観光需要が生み出されることとなります。観光での交流で得た絆は不安定な社会情勢にも左右されにくい、国の宝であります。ANTA会員の皆様が先頭に立ち、多くの日本人が外国の文化に触れ、多くの外国人が日本の文化の素晴らしさを経験する機会を大いに創出していただきたく存じます。

観光が明るくなれば、世の中は必ず明るくなります。これまで培ってきた長年の経験と英知を結集して、全国各地の元気を取り戻すべくANTA会員一丸となり、我が国の観光産業が更なる飛躍を遂げる元年となるよう、総力を挙げて共に奮起してまいりましょう。

全国旅行業協会(ANTA)

会長 二階俊博

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