スポーツツーリズム、「好きなチームに合わせて休暇を計画する」は35%、ロサンゼルス観光局は「今年一番の出来事」として大谷選手のドジャース入りを強調

ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手は、メジャーリーグベースボール(MLB)最大のスターであり、日本で最も人気のあるアスリートだ。その大谷選手の効果で、野球好きの日本から米国への旅行者が増える可能性がある。

JTBは、2024年1月にMLBとの複数年にわたるパートナーシップを結んだ。3月に行われた韓国での開幕戦では、パッケージ旅行を抽選販売した。JTBは、世界規模でスポーツツーリズム事業を展開。MLBとは8年以上にわたって交渉を続けてきたという。

ロサンゼルス観光局も、大谷選手のドジャース入りを「LAで今年一番の出来事」と強調している。昨シーズンまで在籍したエンゼルスの地元であるアナハイム観光局によると、大谷選手がルーキーシーズンだった2018年にアナハイムを訪れた日本人旅行者は約15万7000人で、過去2年と比べて約4%増加した。

同局広報ディレクターのリンジー・スワンソン氏は「アナハイムは、オレンジ郡ではなく、ロサンゼルス郡の一部と誤解されがちだが、大谷選手のおかげて、アナハイムの知名度は上がった」と話す。

また、「カリフォルニア旅行でアナハイムを旅程に加える日本人旅行者も増えた。ディズニーランドだけでなく、スタジアム周辺のレストラン、ビール醸造所なども訪れ、お金を落としてくれる」と明かす。

台頭するスポーツツーリズム

観光産業における大谷効果は、スポーツツーリズムの隆盛とも一致する。アナハイム観光局が昨年2000人を対象に米国で実施した調査では、35%が自分の好きなチームがいつ、どこでプレーするかによって具体的に休暇を計画していることが明らかになった。

ブルームバーグ紙によると、大谷選手がMLBデビューして以来、日本でMLBストリーミングサービス加入者は約2倍に増加。日本のテレビ局のMLB放送では、大谷選手の試合の視聴率は、そのほかの試合の約3倍になっているという。

日本人ファンの中には、ロサンゼルスだけでなく、他の都市でのドジャースの試合を見に行く人も増えている。

一方で、大谷選手の通訳だった水原一平氏のギャンブル疑惑は、大谷人気に影響はするのか?大谷選手自身は、スポーツ賭博への関与を一切否定している。

JTBは、このスキャンダルをそれほど心配していないようだ。「これまで米国に野球観戦で行くことなど考えなかった人が、今はそうしている。日本人は野球が大好きで、大谷選手が成し遂げてきたことを誇りに思っている」。

※編集部注:この記事は、米・観光専門ニュースメディア「スキフト(Skift)」から届いた英文記事を、同社との正式提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事:Can Shohei Ohtani Still Boost Tourism to the U.S.?

著者:Rashaad Jorden氏


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