米国最大の観光イベント「IPW2024」、ロサンゼルスで12年ぶりに開催、ブランドUSA「米国の観光は非常に力強い」

米国最大の観光産業トレードショー「IPW2024」が2024年5月3日~7日の5日間、カリフォルニア州ロサンゼルスで開催された。IPWは今年で55回目、ロサンゼルスでの開催は12年ぶりとなる。

舞台となったカリフォルニアは、今年、十数年ぶりにブランドをリニューアル。新ブランドとして「最高のプレイグラウンド(The Ultimate Playground)」を掲げ、カリフォルニアの自由なライフスタイルや開放感をアピール。イベントには、米国全土のサプライヤーと世界各国のバイヤー・メディア総勢約5700名が参加し、5日間にわたり各種イベントや活発な商談がおこなわれた。

5月5日の記者会見に登壇したブランドUSAのクリス・トンプソンCEOは、過去40年間、テクノロジーや時代の変化とともに発展してきた米国の観光の歴史を振り返りながら、「パンデミックを乗り越え、米国の観光産業の現状は非常に力強い」と強調。2023年の米国全土への国際旅行者数は6700万人、消費額は2022年比28%増・同国の輸出総額の7.7%となる2130億ドルにのぼり、2027年までの目標として掲げる国際旅行者数9000万人・消費額2790億ドルの達成にも前向きな姿勢を示した。

ブランドUSA CEOクリス・トンプソン氏

市場別では、インドからの訪問者数は2023年にすでに2019年の水準を超え、オーストラリア、ブラジル、カナダとフランス、ドイツ、イタリア、英国の欧州4カ国でも2025年に訪問者数2019年超えを見込む。ブランドUSAの最新の調査によると、中国などを含む5カ国で「憧れの目的地」の首位に米国がランクインし、「米国は世界の競合各国の中でもリーディングデスティネーションであり続けている」と胸を張った。

また、米国は、2025年にはワシントンDCでのワールドプライド、2026年にはFIFAワールドカップ、2028年にはロサンゼルス夏季オリンピックなどのグローバルイベントを控える。トンプソン氏は「今後3、4年にわたり世界から米国への注目が高まる。これを機に、これまでの定番の観光だけでなく、国内の新たなエリアへの訪問や異なる体験をしてもらいたい」と期待を述べた。

ブランドUSAのCEOを12年間務めたトンプソン氏は、今年を引退予定。後任には、現ニューヨーク市観光会議局の社長兼CEOを務めるフレッド・ディクソン氏が就任する。ディクソン氏は「これからも観光産業のパートナーたちと協力し、観光の力で米国経済を前進させていきたい」と意気込んだ。

左からブランドUSA理事会長トッド・デヴィッドソン氏、ブランドUSA CEOクリス・トンプソン氏、次期ブランドUSA CEO・現ニューヨーク市観光会議局CEOフレッド・ディクソン氏

ゲッティ・センターでのメディアイベントのほか、ロサンゼルス・メモリアル・コロシアムでオープニングイベントが開催。会期中はロサンゼルス・コンベンションセンターを会場として、各州の最新観光情報の発表や、サプライヤー・バイヤー間の活発な商談がおこなわれた。

オープニング・イベントでは歌手のダイアナ・ロスが登場。メモリアル・コロシアムを舞台に、力強い歌声を披露

また、コンベンションセンターに隣接した広場では、カリフォルニア州各地の観光局やローカルビジネスがユニークな店やブースを構える「カリフォルニア・プラザ」がオープン。各地域にちなんだ軽食や飲み物を提供し、参加者同士のネットワーキングの場として盛り上がりを見せた。

カリフォルニア・プラザでは、カリフォルニア各地からのユニークな出店が並ぶ。商談会前後に参加者が集まりネットワーキングの場となった

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