政府、2024年の訪日客数は史上最多3500万人の見通し、「地方誘客」と「オーバーツーリズム対策」を重点施策に

政府は、2024年7月19日、「第24回観光立国推進閣僚会議」を開催した。会議では、2024年の訪日外国人旅行者数が3500万人、旅行消費額が8兆円と過去最高になる見通しが示された。さらに、政府目標である2030年の訪日客数6000万人、旅行消費額15兆円の達成も視野に入る状況とした。

岸田首相は、インバウンド観光が好調に推移しているなかで、取り組むべき重点施策に言及。「地方への誘客促進とオーバーツーリズム防止・抑制に取り組むことが重要」との考えを示した。

地方誘客促進へ、燃料問題や国立公園の高付加価値化など

地方への誘客促進に向けては、航空燃料の供給不足問題で地方空港を中心に新規就航や増便ができない状況の解消に取り組む。週150便超相当の燃料の供給力確保を含む行動計画を策定し、具体的な取り組みを行う。同時に、地方空港の就航拡大に必要な新たな支援、デジタル技術を活用による出入国の円滑化にも取り組む。

また、2031年までに全国35カ所のすべての国立公園を「世界水準のナショナルパーク化」することを目指す。具体的には、国内の先端モデル事業を踏まえた民間活用による魅力向上事業を実施する。先端モデル事業では、高付加価値化に向けた基本構想のもとに宿泊施設の誘致や自然体験アクティビティなどの検討が進められている。

このほか、スポーツツーリズムでの外国人対応、交通の空白地の解消など、現在推進している施策を強化する。

オーバーツーリズム対策、年内に指針、富士山の対策に協力も

オーバーツーリズム対策では、現在、北海道倶知安町や神奈川県箱根町などで展開している全国20の先駆モデル地域に、新たに小豆島、高山、那覇など6地域を追加。これらの地域の成果を踏まえて、全国各地の参考になる指針を年内に取りまとめる。

また、富士山で今年から始まった入山規制で静岡県と山梨県の対応が異なったことを踏まえ、地域のオーバーツーリズム対策で国有地の存在などが支障にならないように政府として協力していく方針を示した。

トラベルボイス編集部 山岡薫

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