米セキュリティ大手クラウドストライク社製のソフトウエア更新が引き起こした2024年7月の世界的なシステム障害に関して、搭乗予定だった航空便が遅延や欠航となった乗客が同社を相手取り訴訟を起こした。
テキサス州オースティンの連邦裁判所に提起された集団訴訟案では、3人の乗客が、クラウドストライクがソフトウェアのテストと導入を怠ったことが障害の原因であると主張。原告らは、乗客が目的地に急いで向かうなか、宿泊費、食事代、代替交通費に数百ドルを費やした人が多く、また、仕事に遅れたり、空港の床で寝なければならなかったことで健康を害した人もいたと訴えている。
一方、クラウドストライクの弁護団は声明で「この訴訟には根拠がないと考えており、当社は断固として同社を弁護する」と主張した。同社は株価急落を巡り7月31日に提起された株主代表訴訟に対しても、同様のコメントを出した。
デルタ航空は、6000便以上の便を欠航したことで、約5億ドル(約725億円)の損害を被ったとして、クラウドストライクに対して法的措置を取る可能性があるとしている。同航空は、障害からの回復に他社よりも時間がかかったことから、米国運輸省の調査を受けている。
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