シンガポール拠点で世界に高級リゾートを展開するバンヤン・グループは、2024年8月20日、「バンヤンツリー・東山 京都」をグランドオープンした。日本のバンヤンツリーブランドの旗艦ホテルとして展開する。開業にあわせて同グループの創設者であり会長のホー・クウォンピン氏が来日し、記者会見で日本での今後の展開について語った。
バンヤン・グループは、現在、日本で5ブランド(バンヤンツリー、ダーワ、ギャリア、フォリオ、ホーム)で全8軒のホテルを運営している。過去20年間、日本でのホテル開発を積極的に進めてきたクウォンピン氏は、今後も日本でのホテル開発に注力していく方針を示した。
特に、世界の旅行者から日本への関心が高まる中、その魅力を伝えるためのホテル開発の立地として大都市圏よりも地方に注目していることに言及。「旅館や食文化、食材の産地が持続可能なモデルになっていない。それらを次世代に継承し、日本人が誇りに思えるようなホテルを各地で展開したい」と意欲を見せた。
ホテル開発では、既存ホテルのリブランドを積極的に進めていく考え。現在、進行している開発プロジェクトのうち、多くは既存ホテルのリブランドでの開業となる計画だという。クォンピン氏は、同社グループでは12ブランドを展開しており「その土地に合致したブランド展開をしていく」と自信を見せた。
なお、現在、公表されている日本での開業予定は4軒。カッシーア・比羅夫 ニセコ、バンヤンツリー・芦ノ湖 箱根、ダーワ・ボールパーク 北海道、バンヤンツリー・白馬 長野が今後数年間で開業する予定だ。
バンヤンツリー・京都東山
このほど開業した「バンヤンツリー・京都東山」は、「ダーワ・悠洛 京都」「ギャリア・二条城 京都」に次ぐ京都で3軒目のホテルとなる。52室の客室、バンヤンツリー・スパ、ダイニング、能舞台、内湯と露天風呂の大浴場のほか天然温泉の源泉を引いているのが特徴だ。バンヤンツリーブランドの日本進出は初めて。
バンヤンツリー・東山 京都は、清水寺側の高台に位置し、建築家・隈研吾氏をマスターアーキテクトに登用。能の美しさと幽玄の概念を取り入れながら伝統的な日本建築とモダンエレガンスが調和したデザインとした。客室タイプには、京都市街のパノラマビューが楽しめる部屋やプライベート温泉付きで小庭園や青々と茂る竹林、能舞台を見渡せる「ONSENリトリート」などがある。
飲食施設は、48席の特別な割烹料理「りょうぜん」とバー「BAR RYOZEN」。一例として能面師・中村光江氏の工房を個別に訪問するなど、プライベートツアーも用意する。クォンピン会長は、近隣の寺社仏閣などと連携して特別な体験を提供していく考えも示している。