日本旅行業協会(JATA)は、2024年9月26日に開幕するツーリズムEXPOジャパン2024(TEJ)について、最新の開催概要を発表した。
2年ぶりの東京開催となる「ツーリズムEXPOジャパン2024」。展示商談会は、海外約80カ国地域、国内は全国47都道府県から出展があり、出展小間数は目標の1500小間を超えた。これは、過去最大だった2018年の約85%の規模になる。そこで会場を東京ビッグサイト東棟1~6ホールに拡張し、当初予定から1ホール増やした。
また、参加バイヤー数は730名、商談件数は5900件で、2023年実績を大きく上回る。現在も申し込みがあり、商談件数は6000件を超える見通しだ。来場者数は4日間で、大阪開催だった昨年の14.8万人を大きく上回る18万人(業界日5.8万人、一般日12.2万人)を見込む。
同推進室室長の早坂学氏によると、特に海外からの出展者が増加しており、全体の4割強が海外からの出展になる見込み。日本人出国者数が着実に回復傾向にあるなか「回復時にはぜひ、自分たちの国・地域に来てほしいという、日本市場に対する期待の強さを感じている」(早坂氏)。出展小間数については、コロナ前は国内のほうが多かったが、「今年は逆転するかもしれない」というほど勢いがあるという。
また、TEJ観光大臣会合は現在、10カ国(ブルネイ、ブルガリア、ギリシャ、インド、マレーシア、モンテネグロ、フィリピン、米国、ウズベキスタン、日本)の観光大臣と、国連世界観光機関(UNツーリズム/UNWTO)、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)、ヨーロッパ観光委員会(ETC)、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)の代表者が参加予定。今年のフォーラムテーマである「新たな旅の創造」について、意見を交わす。
基調パネルディスカッションは「観光交流人口の拡大」をテーマに、鶴雅リゾート取締役アドベンチャー事業部部長の高田茂氏、さとゆめ代表取締役の嶋田俊平氏、ETC・CEOのエドゥアルド・サンタンデール氏、JTB社長の山北栄二郎氏が登壇。アドベンチャーツーリズムや地方創生事業、欧州の実情と先進事例、送客と受入の双方の立場を知る総合旅行会社の視点で議論する。
米国や欧州が出展拡大、山口智子さんトークショー、大谷選手をアイコンにしたブース展開も
海外渡航自由化60周年を迎える今年、TEJ2024はメインテーマを「旅、それは新たな価値との遭遇」とし、新しい旅のカタチを提案。展示エリアでも、人気が高まっている「クルーズ」や「スポーツツーリズム」「アドベンチャーツーリズム」「星空ツーリズム」など、変化し、多様化する旅の未来像を目に見える形で発信する。
海外ブースでは、日本の海外旅行を牽引してきた米国と欧州が、規模を拡大。日米観光交流年である米国は20小間、ハワイ州観光局も昨年の3倍のスペースで出展する。米国は、TEJ初出展となるグレーター・マイアミ観光局などの観光情報のほか、MLB(メジャーリーグベースボール)などスポーツツーリズム関連の情報も提供する。
欧州は、ETCが昨年の倍の小間数に拡大し、13の国地域・事業者が出展。さらに、スペインやバルト三国などが独立ブースを展開する。ギリシャは10年ぶりのTEJ出展だ。ETCと各国独立ブースは共通のスタンプラリーを実施し、欧州として一体感のある出展も目指す。
国内ブースでは、北陸新幹線の開業で注目される石川県/石川県観光連盟や石川県輪島市が出展。能登半島地震により被害を受けた能登地域の観光地を含め、各地の観光の魅力を紹介する。また、来年の大阪・関西万博に向け、2025年日本国際博覧会協会が昨年よりも規模を拡大して出展するほか、エンターテイメント施設であるワーナーブラザーズスタジオ東京-メイキング・オブ・ハリー・ポッターの出展も注目だ。
さらに企業ブースでは、日本航空(JAL)がMLBロサンゼルス・ドジャースに所属する大谷翔平選手をブースアイコンとして展開。等身大パネルの写真撮影エリアや、大谷選手のグッズが当たるイベントも実施する。大谷選手の活躍で、MLB観戦を目的とする渡航需要は高く、ロサンゼルス観光局のブースでは大谷選手に絡めたキャンペーンを実施。日本唯一のMLB公認オフィシャルホスピタリティ&トラベルパッケージを提供するJTBブースでは、元MLB選手・五十嵐亮太さんのトークショーも開催し、その魅力を伝える。
このほか、期間中は展示ホール内の2カ所のステージで国内外の音楽や舞踊など、様々なイベントを開催。TEJ2024のスペシャルサポーターとなった俳優の山口智子さんが登壇するトークイベント「地球を楽しむ仲間達」も開催する。