日本観光振興協会、日本旅行業協会(JATA)、日本政府観光局(JNTO)は、来年、2025年の「ツーリズムEXPOジャパン」を初めて愛知県で開催すると発表した。2025年9月25日~28日にかけて「愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)」で開催される。発表の記者会見で、初めて中部エリアで開催れる意義について、JATAの髙橋広行会長は「インバウンドの地方への分散化および地域活性化、能登半島地震からの復興に向けた息の長い支援、セントレアのさらにる国際化」を挙げた。
中部エリアと北陸エリアは、これまでも「昇龍道プロジェクト」などで協働していることから、EXPO開催を契機に、セントレアから北陸エリアへの回遊を強化していきたい考えだ。中部経済連合会の宮本文武常務理事・事務局長は「中部と北陸が一体となってEXPOを盛り上げてき、地方への誘客を進めていく」と発言。また、北陸経済連合会の牧野正広常務理事・事務局長は「一日も早い震災から復興に向けて観光振興を進めていく」と意気込みを示した。
ツーリズムEXPOジャパン2024、海外旅行復活の契機に
また、2024年9月26日~29日に東京ビッグサイトで開催される「ツーリズムEXPOジャパン2024」の概要が発表された。ツーリズムEXPOジャパン2024のテーマは「旅、それは新たな価値との遭遇~Travel, An Encounter With New Value Awaits~」。例年通り、展示商談会、フォーラム&セミナー、交流事業、顕彰事業を実施する。
現在のところ展示商談会には海外80カ国が出展する予定。これは、昨年の70カ国を上回り、コロナ前の100カ国に近づく規模になる。全体では約4割が海外出展者になる見込みだという。JATAの髙橋会長は、今年のEXPOを「日本の旅行市場が復活している姿を世界に発信する機会」と位置付けるとともに、回復が遅れる海外旅行については「展示国の増加は日本への期待の表れ。EXPOを復活への機運醸成の機会として、今年中にその道筋をつけて、来年には完全回復に繋げていきたい」と意気込みを示した。
商談会バイヤーは550人、商談件数は昨年の5768件を上回る7000件以上を見込む。また、今年はBtoB強化の一環として、訪日以外を扱う海外バイヤーを10人招聘。さらに、業界日2日間のスポンサーランチでは、成長著しいインドとサウジアラビアのプレゼンテーションが行われるほか、出展ブースでバイヤー向けにビジネスミーティングも開催する。
4日間の来場者数については、大阪で開催された昨年の14万8000人を上回る約18万人(業界日5.8万人、一般日12.2万人)を見込む。
フォーラム&セミナーについては、基調パネルディスカッションでは、ヨーロッパ観光委員会エドゥアルド・サンタンデールCEO、JTBの山北栄二郎社長のほか、日本の地域代表2人が「観光交流人口の拡大」について議論する。
TEJ観光大臣会合では、10~15カ国の観光大臣に加えて、UNツーリズム、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)、太平洋アジア観光協会(PATA)、アドベンチャー・トラベル・トレード・アソシエーション(ATTA)などが参加する。
また、国内旅行、海外旅行、訪日旅行それぞれでテーマ別シンポジウムを実施。ツーリズム・プロフェショナル・セミナーも開催する。
ツーリズムの発展・拡大に貢献した国内外の団体・企業・個人を表彰する「第8回ジャパン・ツーリズム・アワード」では、新たに経済産業大臣賞を設ける。
さらに、交流事業として「ウェルカム レセプション」を開催。ビジネスネットワーキングの創出、日本各地の食や文化芸能などのコンテンツを世界に発信するとともに、震災復興に向けて能登地方の伝統芸能が披露される予定だ。
国内旅行特集エリアも拡充
会場では国内旅行特集エリアとして、「星空ツーリズム」と「ドライブツーリズム」を設けるほか、「アドベンチャーツーリズム」「アカデミー」「クルーズ」「テーマ型観光地展」「スポーツツーリズム」を特集。日本観光振興協会の最明仁理事長は「(EXPOで)高付加価値旅行の促進、地方への人の流れを作っていきたい」考えを示した。
このほか、今年も「トラベルソリューション展」を共同開催。「2025大阪・関西万博」を盛り上げるコーナーや震災復興に向けた北陸応援企画のほか、海外渡航自由化60周年記念として、故兼高かおる氏の足跡を辿るパネル展も実施する。
なお、ツーリズムEXPOジャパン2024のスペシャルサポーターには俳優の山口智子さんが務める。
VISIT JAPANトラベル&MICEマート、地方部への誘客と消費額拡大を
JNTOは今年も「VISIT JAPANトラベル&MICEマート」を合同開催する。海外から280社のバイヤー(MICEバイヤー15社)、国内からは300社・団体のセラーが参加し、6000件以上の商談が実施される予定。
商談後、海外バイヤー250人ほどが東日本エリアを中心とした12コースのファムトリップに参加する。MICEコースとしては、万博をテーマにした関西と北陸を設定した。
JNTOの高橋広治理事長代理は「地方部への誘客と消費額拡大を念頭に地域活性化につながるように準備を進めていく」と発言。ツーリズムEXPOジャパンとの連携も活用して、効果的な情報収集のために、海外バイヤーを国内の出展ブースに案内するミニツアーも実施するという。