関西イノベーションセンター(MUIC)は、京都市の主要観光スポットである嵐山エリアからの観光客の周遊と分散を目的に、生成AIを活用した観光案内の実証実験を行った。アプリ開発のデザイニウム社とのプロジェクトで、MUICの課題解決プログラムとして採択したもの。
実証実験では、デザイニウム社が開発した観光案内アプリ「観光ARコンシェルジュ」を用い、既存の観光情報を活用して生成AIでどのようなルート提案ができるか、体験向上に繋がるかを検証。カメラ画像などの視覚的な情報を用いて位置情報を特定する技術(VPS)とChatGPTによる音声応答、ARナビゲーションを併用し、ユーザーのニーズや状況に応じた最適なルート生成を試みた。
実証実験の結果、対象エリアで周遊するには電車移動が発生するため、その負荷を越える意欲を引き出すためのインセンティブが必要との示唆を得た。また、ルートの提案ごとに生成AIを稼働するため、多数のユーザーが利用する際は多額のコストが発生する。そのため、課金を促す体験とあわせたサービスを設計する必要性も認識した。これらを踏まえ、今後はユーザーの関心を深く引き込むための体験価値を向上し、送客へ導く仕組みを強化するとしている。