フランスは、2024年のインバウンド旅行者が1億人に達し、世界一の座を維持した。2024年7月~9月にかけてオレンピックが開催されたことから前年比で2%増加した。UNツーリズム(国連世界観光機関/UNWTO)によると、2024年の世界の海外旅行者数は約14億人で、コロナ前の水準に回復。フランスとスペインはいずれも過去最多となった。ライバルのスペインのインバウンド旅行者数は前年比10%増の9400万人。
しかし、フランスは旅行者数ではスペインを上回ったものの、支出額ではスペインの1260億ユーロ(約20.4兆円)を下回る710億ユーロ(約11.5兆円)。フランスのナタリー・デラトル観光大臣は「観光客1人当たりの平均支出を増やし、滞在期間を長くするよう努める必要がある」とコメントしている。
国別で見ると、米国人観光客の宿泊数は前年比5%となり、フランス観光省は、購買力も強いことから「重要なお客様」と呼んでいる。
一方、アジアからの回復は遅れている。中国人旅行者数は2019年比で60%減のまま。日本人旅行者数は同30%減だった。
フランス観光省では、2024年後半の降雪量が多ったことから、ウインタースポーツの需要が高まるとの期待から、「2025年第1四半期の見通しは非常に良好で、訪問者数は増加傾向にある」と見ている。
※ユーロ円換算は1ユーロ162円でトラベルボイス編集部が算出
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