キャセイパシフィック航空(CX)グループの2012年度(2012年1月~12月)の通期決算は、総売上は前年比1.0%増の993億7600万香港ドルと微増となったものの、純利益は83.3%減の9億1600万香港ドルとなった。
このうち、旅客部門の売上高は3.5%増の701億3300万香港ドル。輸送能力は2.6%増加し、キャセイパシフィック航空と香港ドラゴン航空(KA)の年間輸送旅客数は5.0%増となったが、座席占有率は0.3ポイント低下した。キャセイパシフィック航空では、燃料価格の高止まりや世界経済の不透明感、競争環境の激化により、「航空産業にとって2012年は全般的に厳しい1年となった」と説明。主要路線の競争激化が平均旅客単価を下げ、企業の出張規制も逆風となった。さらに旧型機の長距離路線が利益を圧迫したという。
こうした状況を受け、キャセイパシフィック航空では燃費効率の低いB747-400型機の退役を前倒ししたほか、長距離路線のスケジュールと輸送力を調整。グループの重要戦略項目を設定し、拠点である香港と運航ネットワークの増強とともに上質なサービスの向上や新プロダクト導入、中国国際航空(CA)との協力関係の強化、財政面でのリスクマネジメントなどに取り組んだ。