成田空港、2015年度に旅客数3,700万人を目指す ‐新中期経営計画発表

成田国際空港株式会社(NAA)は近頃、2013〜2015年度中期経営計画「イノベイティブNarita2015〜選ばれる空港を目指して〜」を発表した。それによると、2013年夏ダイヤからのオープンスカイ、空港容量30万回への拡大を最大限活用し、アジア有数のネットワークを強化するともに3大アライアンスやLCCの拠点化を推進することで、国際線および国内線の路線誘致を積極的に展開していく。そのうえで、航空取扱量の目標として2015年度に航空発着回数26万回、航空旅客数3,700 万人を掲げた。

また、2015年度の経営目標としては、連結ROA(連結総資産営業利益率)を4.2%以上(連結営業利益360億円以上)に設定し、連結長期債務残高を5,200億円以下、連結長期債務残高/連結営業CFを8.0倍以下にし、財務の健全性向上に取り組んでいく。さらに、長期的(およそ10年後)な目標として、連結ROA6%台、連結長期債務残高4,000億円以下、連結長期債務残高/連結営業CF6倍台を目指す考えだ。

NAAでは中期経営計画にもとづき、安全の徹底追求、選ばれる空港づくり、経営体力の強化を基本戦略として「選ばれる空港」を目指す。具体的には、2014年度末までにLCC専用ターミナルビルを整備するとともに、3大アライアンス拠点化の対応として第1および第2旅客ターミナルの能力増強を進めていく。また、カーフュー(離着陸制限)の弾力的な運用を進めるほか、ピーク時間帯の時間値(時間あたり発着枠)の拡大に向けた取り組みにも力を入れていく。

空港コストの低減に向けては、2013年4月から国際線着陸料および国際線BHS料金を引き下げ、インセンティブ制度のひとつとして国際線着陸料の増量割引を導入。受益と負担の適正化の観点から、空港使用料(国内線)のあり方についても検討を進めていく。

利便性・快適性の向上では、ノンストップゲート化、無料Wi-Fiエリアの拡大、最先端ICTを活用したi-Airport戦略、IATA基準に基づいたチェックイン手続きの自動化や保安検査の効率化、出入国自動化ゲートの促進などの取り組みを進めていく。このほか、非航空収入の拡大に取り組み、経営体力の強化を図っていく方針だ。

なお、NAAでは中期経営計画の期間において総額1,450億円(連結)の設備投資を実施する計画。安全の徹底追及に550億円、選ばれる空港づくりに860億円、非航空収入の拡大に向けた経営体力の強化に40億円を投じる。

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