近年、近隣のアジア太平洋諸国がMICE誘致を強化しており、日本のシェアはこの20年で5割から2割に低下した。MICE開催は、海外の人と知恵を呼び込み、ビジネス機会やイノベーション、地域への経済効果の創出、都市の競争力とブランド力の向上といった意義がある。そこで、観光立国実現に向けたアクション・プログラムでも、MICE分野の競争力強化を図るための各種施策が盛り込まれた。
例えば、国を上げた一体的な誘致体制の構築として、誘致ポテンシャルが高い都市を戦略都市として選定し、誘致能力・体制・受け入れ環境における世界トップレベルのMICE都市を育成する。また、政府としてMICE誘致・開催に関する情報共有を図る枠組みの構築のほか、産学官の連携を推進し、大学や産業界の国際的な有力者をMICEアンバサダーに任命し、「日本の顔」として誘致活動支援体制を行なっていく。
このほか、ユニークベニューでのイベント開催の活性化やMICE開催地としての都市機能の強化など、都市のMICE受け入れ環境の整備や、観光庁と日本政府観光局(JNTO)、経済産業省、日本貿易振興機構(JETRO)との共同行動計画による連携を推進。また、統合型リゾート(IR)で必要な制度上の措置の検討や、2020年オリンピック招致活動など、国際競技大会の招致・開催の支援等にも取り組んでいく。