カナダ観光局(CTC)は、このほど2013年度として2回目となる旅行会社を対象にしたセミナーを開催、冬のカナダでの体験や過ごし方を提案した。セミナーで登壇したCTC日本地区代表のモリーン・ライリー氏は、オーロラのシーズンを前に同局が展開している「オーロラ王国」を紹介。カナダは他地域に比べて完成度が高い点、オーロラベルトの真下に位置すること、オーロラプラスアルファの魅力があることを強調した。
また、モリーン氏は「プラスアルファ」の部分が、旅行者が求める「体験」であり、こうした「体験」を今後もカナダの強みとして訴求していく考えだ。セミナー後には、ワークショップ形式で個別の情報提供を実施し、活発な情報交換が行われた。
セミナーで紹介された各州の冬のポイントは以下のとおり。
▼ブリティッシュ・コロンビア州
1年を通して温暖な西海岸は冬も過ごしやすく、特にバンクーバーは2020年までに世界一グリーンな街を目指す過ごしやすい街。こうした点で、卒業旅行にも最適なエリアだ。
冬、11月下旬くらいからはクリスマスの彩りで町が華やぐ。なかでも、バンクーバーのスタンレーパーク、キャピラノ渓谷、ビクトリアではブッチャードガーデン、エンプレス・ホテルなどが美しい。
また、スキーリゾートで知られるウィスラーは11月下旬からのシーズンが始まる。冬のイベント「ファイヤー&アイスショー」も見どころだ。
▼アルバータ州
冬のアルバータ州は、4つのキーワードでまとめることができる。それは、カナディアンロッキーの絶景と体験、温泉、星空、オーロラだ。
「冬の晴れた日のロッキーの山並みは心に訴えかける光景」。玄関口となるカルガリーへはエア・カナダの直行便が週3便運航しており、カルガリー動物園「ズーライツ」では、冬は150万個のライトで動物を模ったイルミネーションが人気だ。また、ロッキーの起点となるバンフでは周辺のゲレンデでシャンパンスノーを滑るスキー、星空観賞、バンフ・アッパー・ホット・スプリングスでの温泉も可能。アイスキャニオン・ウォーク、スケートなどの冬のアクティビティも豊富だ。
また、アルバータ州では、各地でオーロラが見られるが、一番メジャーなフォート・マクマレーのオーロラ観測率は92%。南に位置しているためシーズンが長く、4,5月まで見られるのがポイント。
▼オンタリオ州
トロントの冬は、都市としての楽しみがたくさんある。トロント・ウィンターフェスタや美術館めぐり、11月にはサンタクロースパレードも開催。また、今年もウィンターリシャス (2014年1月31日から2月13日)の開催が決定しており、人気レストランでのグルメを気軽に楽しむことができる。ショッピングも充実しており、最近はトロント近郊にプレミアム・アウトレットがオープンした。
また、冬のナイアガラ・フォールズの見どころは凍結した滝が見られる点。荘厳な景色だ。なお、滝を目の前で見られるクルーズ「霧の乙女号」は運休になる。このクルーズは運営会社変わることが決まっており、2014年春以降はこの別の名称になる予定だ。
▼ユーコン準州
ユーコンの冬は、ホワイトホースのオーロラ鑑賞が最大の魅力。2012年秋から冬は、日本人は旅行者が「大幅に伸びた」という。鑑賞方法は、ホワイトホース近郊のロッジやテントに宿泊しながら、町に宿泊して近郊に足を延ばすなど選択肢がある。オーロラ鑑賞とともに、タキーニ温泉やユーコンの古くからの生活に根差した犬ぞり、クルアニ国立公園などを楽しむことができる。
オーロラの街、ホワイトホース(人口2万7000人)は日本人にも歩きやすく、ゴールドラッシュ時の名残、レストランのバラエティに富んだ選択肢など個人旅行者がぶらぶら歩いても楽しめるコンパクトな街だ。昨年からの日本人増加で日本語によるサービスもふえている。野生動物保護区では、北極キツネなどがみられることも。
▼ノースウェスト・テリトリーズ
冬は「極北」の観光体験、例えばアイスロード(氷のハイウェイ)は2メートルほどある氷がハイウェイ上に現れるなど日本では考えられない極北がある。
同州ではイエローナイフのオーロラ鑑賞が日本人にもメジャーになりつつある。イエローナイフのオーロラは、山がなく平坦な地域で大きな空が眺められること、晴天率が高いことが特徴で、2012年は15700人の日本人が訪れた。
市内のホテルに滞在し、オーロラ滞在施設に出かけるのが主流となっているが、郊外のロッジに滞在してオーロラを楽しむこともできる。ロッジは、小規模で個性的な施設が多く、オーナーや現地の人々とのふれあいが楽しい。また滞在中にオーロラが見られるので写真を撮ることが目的のツアー、旅行者にむいている。
>>>カナダ、日本人旅行者の年齢構成に変化、嗜好の多様化とオーロラブームで