日本航空(JL)は2013年10月7日、中長距離路線用の更新機材としてA350型機の導入を決定し、エアバスとの間でA350-900型機18機およびA350-1000型機13機からなる確定31機およびオプション 25機の購入契約を締結した。JALがエアバス機を発注するのはこれが初めて。また、日本の航空会社のなかでA350型機を発注するのもJALが初めてなる。JALは2019年のA350型機運航開始を目指し、6年程度で機材の更新を進めていく。
A350型機には、2014年の商業運航に向けて2013年6月から試験飛行が行われている-900型に加えて、派生型として長胴型の-1000型、および短胴型の-800型の開発が進められており、いずれも新開発のロールスロイス社製エンジンが装備される。この新開発のエンジンに加え、胴体・主翼など広範囲に複合材を用いることにより、同サイズの既存機に比べて大幅な燃費改善が見込まれるなど、優れた経済性を発揮するとともに、機内の気圧を地上に近づけることなど機内環境も向上。さらに、燃費改善に伴い、二酸化炭素や窒素酸化物の排出も抑えることが可能になる。
今回のA350型機発注にあたり、JL代表取締役社長の植木義晴氏は「JALは、高い運航性能、商品競争力を持ったA350型機を最大限に活用し、首都圏発着枠拡大をはじめとするビジネスチャンスに積極的に対応していく。今後も、機材更新による変動費の低減など、収益性の向上を図りつつ、新しい客室仕様や着実なネットワーク展開により、常にお客さまに最高のサービスを提供していく」とコメント。また、エアバス社長兼最高経営責任者(CEO)のファブリス・ブレジエ氏は、「JALがこのたびA350型機を日本で初めて発注されたことを大変光栄に思う。日本を代表する航空会社であるJLとエアバスが新たな関係を構築し、お互いにとって輝かしい未来が開かれることを確信している」と話した。