アジア諸国から関西方面への訪日旅行、「LCCで行きたい」が約8割、メリハリ旅行という新トレンドに注目

日本政策投資銀行(DBJ)は、関西空港LCC専用第2ターミナルを活用した関西訪問客の動向に着目し、アジアの関西訪問希望者に対するLCC利用希望についてインターネットによるアンケートを実施(2013年10月8日〜25日)、このほどその調査結果を発表した。調査した地域は、韓国、中国(北京および上海在住者)、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア。調査対象は20〜59歳の男女で海外旅行経験者。有効回答数は各地域500名の計4,000名。


調査結果によると、関西訪問希望者のうち、今後LCCを利用したいと回答した人の割合は76.6%にのぼった。また、すでに訪日経験およびLCC利用経験を持つ関西訪問希望者のうち、再びLCCを利用したいと回答した人の割合は91.2%となり、利用したくないと回答した人の割合を大きく上回った。この結果を受けて、日本政策投資銀行(DBJ)は、訪日客がかかえる旅行への不安材料のなかで、渡航費や滞在費などの費用負担が占める割合は大きいと指摘。渡航費が抑制できるLCCへの期待は高いと分析している。
日本政策投資銀行資料より

▼LCC利用で浮いたお金は「自分のための買い物」に

LCCを利用した海外旅行希望者の特性を見ると、20〜30代といった若年層にLCCリピーターが多い一方、利用経験のない40〜50代でも「今後LCCを利用したい」と回答した人の割合は40%前後となり、潜在需要は高いことが伺える。また、LCCの利用で抑制できたお金の使い道については、訪日回数が増えるほど、洋服やファッション雑貨など「自分のための買い物を増やす」と回答した人の割合が高くなっている(訪日経験なしで42.5%、訪日経験1回で47.5%、訪日経験2回以上で51.4%)。一方、訪日経験がない人では、「別の海外旅行の機会に使う」が最も高く47.4%、次いで「観光地・テーマパークに行く」が46.2%だった。LCCで費用を抑え、その分を買い物に増やすというメリハリのついた旅スタイル、「メリハリ旅行」をこれからのひとつのトレンドとして注目しておきたい。

日本政策投資銀行資料より

関西訪問希望者の主な観光目的について、大阪を例にとると、「日本料理を食べる」(67.3%)、「安くておいしい料理を食べる」(60.8%)、「有名な史跡や歴史的な建築物の見学」(54.0%)など、伝統的に関西の強みとされる食や歴史文化遺産の見学が上位に入る一方で、「洋服やファッション雑貨のショッピング」(36.6%),「最新のファッション流行の見物」(28.2%)などリピーターが好むと思われるショッピングや最新ファッションについては低い順位となり、東京との比較でも大きな差が出る結果となった。

この結果を踏まえ、DBJで関西は百貨店や新設ショッピングモールなども多く、ファッショナブルで近代的なエリアも広がっているため、食や文化遺産だけでなく多面的に関西のエリアブランドをPRしていけば、LCCの高い潜在性との相乗効果によって、関西周遊型のリピーターを生み出すことができる可能性は高いと分析している。


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