公益財団法人日本生産性本部余暇創研が、2012年に60代以上の男女が行った余暇活動を分析したところによると、男性は年齢が上がるほど参加種目が増え、70代が最も多くアクティブな活動を行っていることが分かった。一方、女性は年代間における参加種目の変化は少なく、男女間で傾向が異なる。男女ともに種目の数は「健康状態」「世帯収入」に左右され、高収入ほど多種目に参加。女性においては、「就業の有無」も種目数に影響を与えているようだ。
この分析は、2013年8月に発表した「レジャー白書2013」の続報。白書では、10年前には最も参加種目数の少なかった60代以上が、2012年には他の年代と同等かそれ以上に参加している実態が明らかになったが、本調査は団塊の世代が60代後半を迎え、雇用延長で働いていた人を含めて多くが仕事から離れる年代となったことから、就業の有無が余暇活動にどのような影響を与えるかに焦点を当てた。
60代以上の年代別1人当たり参加種目数をみると、男性は年代が上がるにつれて種目数が多くなり、70代が最多。部門別では「趣味・創作」「観光・行楽」で、年代が上がるにつれて種目数が増加傾向にあり、「スポーツ」では変化は見られなかった。それに対し女性の場合は、男性に比べ年代間の変化は小さく、「観光・行楽」などで減少傾向が見られた。
また、国内観光旅行では、最も参加率が高かったのは60~64歳女性で約75%、続いて65~69歳女性で70%、70歳以上男性約69%となった。女性は年齢が若いほど参加率が高く、男性は年齢が高いほど参加率が高いという逆の傾向が明らかになった。
▼参加種目数は就業の有無で男女に違い
男性は健康状態、世帯収入により1人当たり参加種目数に差が生じるものの、就業の有無による違いは比較的小さかった。多くの種目で健康なほど、また世帯年収が大きいほど参加率が高いが、「温浴施設(健康ランド、クアハウス、スーパー銭湯等)」など、就業の有無、健康状態、世帯収入の影響が比較的小さい種目があることが分かった。
一方、女性は健康状態、世帯収入だけでなく、就業の有無によってもやや違いが見られた。「外食(日常的なものは除く)」は仕事をしているほうが参加率が高く、「編物、織物、手芸」は仕事をしていないほうが高かった。
分析は2013年1月に15~79歳の男女に行ったインターネット調査結果のうち、60歳以上を対象に実施。60歳以上の有効回収数は1027。