日本観光振興協会は、2014年1月27日に観光立国推進協議会を立ち上げた。この協議会は、2020年東京オリンピック、パラリンピックの成功と2013年末に達成した訪日外国人旅行客数 1000万人のさらなる高みを目指すために、オールジャパン体制での国民運動の展開を推進するためのもの。
協議会には観光関係団体、運輸、ホテル、旅行といった観光関連企業だけでなく、全国知事会、全国市長会、全国町村会等の自治体関連団体や日本経済団体連合会、日本商工会議所などの財界、流通、金融、アパレルなどの約90名の企業、団体のトップが委員として参加。今後、日本の観光立国推進のための提言を行い、協議会を起点に、全国各地でのタウンミーティングやシンポジウムなども実施、観光立国実現へ向けた「国民運動」を広く展開する。観光関連以外の企業としては、ファミリーマートや資生堂、博報堂、東レなどの企業のトップが名を連ねた。
このほど行われた「第1回観光立国推進協議会」では、約90名の協議会委員と来賓として観光庁長官の久保成人氏が参加。久保氏は、 2020年オリンピックに向けて外国人旅行者、障害を持った方が旅行をしやすい受け入れ態勢づくりとして、国民ひとりひとりが「心のバリアフリー」をもって、受入れ体制をつくっていくことの重要性を強調し、同協議会が国民全体の雰囲気を醸成していく役割との認識を示した。
また、協議会を立ち上げた日本観光振興協会会長の山口範雄氏は、観光産業の裾野の広さ、経済に与える影響が大きなことを強調。観光関係企業だけでない集まりである協議会であることを評価したうえで、「観光」が「地域に始まり、地域に終わる」もので産業を生み出し日本の発展に寄与することを語った。観光立国のためには、休暇取得をしやすくすることなど「国民ひとりひとりの理解と実践でなるもの」と協議会が「国民運動」として日本全体への波及効果に期待した。
▼受入れ体制づくりの重要性、Wi-Fi整備の必要性
2014年1月17日には、政府による観光立国推進閣僚会議が行われており、訪日外国人の目標人数として2000万人が掲げられた。同時に、安倍首相からアクションプログラムの改定指示がでており、政府全体で取組みとして推進される計画だ。こうした計画の推進にあたり、観光庁長官の久保氏は同会場で「2020年オリンピックに向けて外国人旅行者、障害を持った方が旅行をしやすい受け入れ態勢づくり」を強力に推進する決意を述べた。
協議会では、久保長官が「国民ひとりひとりが、心のバリアフリーを」と呼びかけており、オールジャパン体制での観光立国の体制に期待がかかる。また、議論では、受け入れ態勢の課題としてビザ、国内交通機関、言語とともに、インフラとしてWi‐Fi整備などの必要性を語る委員の発言が多数あった。観光インフラとして、訪日外国人がネット環境の整備をもとめており、こうした課題を共有する場となったことは、今後の取組みの礎となることだろう。
(トラベルボイス編集部:山岡薫)