近畿日本ツーリストは、2015年4月1日、2015年度入社式を行った。今年度の新入社員は99名。小川亘社長による訓示では、同社が今年60周年の節目として「原点回帰」の年に当たることに加え、昨年10月の設置後業界初の取り組みが注目を集めている新組織「未来創造室」の活動を紹介。未来をともに創造していく期待を込めて「品格のあるツーリストパーソンになってください」との言葉で締めくくった。
小川亘社長の訓示は以下のとおり。全文を記載する。
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新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。本日、99名の新しい仲間を迎えられたことを本当に嬉しく思います。役員、そして全社員を代表して、心より皆さんの入社を歓迎いたします。
本年、近畿日本ツーリストは創立60周年を迎えます。当社は2013年から「KNT-CTホールディングス」の事業会社として団体事業に特化した旅行会社となりましたが、60周年という原点回帰の年であると同時に、これからの5年間は2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた需要や、昨年1300万人を超えた訪日旅行など、ビジネスチャンスが大きく変化拡大していく重要な年になります。
皆さんには当社の草創期を舞台にした小説『臨3311に乗れ』を事前にお渡ししました。日本で初めて修学旅行専用列車を運行させるなど、斬新なアイデア、バイタリティ、そして先を読む力で当時の旅行業界に新しい風を吹かせました。そして、お客様ニーズの多様化を予測して業界でいち早く宿泊予約システムを導入しています。また旅行会社で初めて東証1部に上場しました。さらに業界初の海外チャータービジネスの参入および夜行スキーバス商品化など様々なことを創造し、今日の当社があります。このように近畿日本ツーリストは常に「はじめて」にチャレンジし続けてきました。これが当社のDNAです。
先ほど述べたように、2020年に向かう5年間は、日本が大きく変わっていきます。社会、生活、文化など様々な変化が起き、変化に伴う新しいビジネスモデルが次々と生まれる可能性があります。様々な動き・情報の中で、それに対してどれだけ柔軟に積極的にスピード対応できるかがいつの時代にも問われています。皆さんは、これから仕事やプライベート問わず、いろいろな変化に出会うことでしょう。変化をチャンスと受け止め、道なき道を積極的に切り拓き、後世に残るような大きな仕事にもチャレンジしていただきたい。ぜひこの会社で、未来の「はじめて」を一緒に創っていきましょう。
ここで当社の展開にも触れておきます。昨年10月に「未来創造室」を設置しました。2020年以降の、当社の未来を立案する組織です。すでに「スマートツーリズム事業」「農業ビジネス事業」「産後ケア&レスパイト事業」といった業界初の取り組みをはじめ、様々な新規事業を開発し、マスコミの注目も集めています。また、「救急救命」を受講する取り組みも全社員が受講を終了し、その貢献に対して東京消防庁から感謝状をいただきました。皆さんにも導入研修後すぐに受講していただきます。
一方、働き方を変えるeワーク推進プロジェクトでは、モバイルPCへ発展的に移行しモバイル環境の充実が図れています。活動のフィールドが社外に多い当社において、営業にかかる事務負担を軽減させ、手作業や二重作業も廃して、営業のタイムラインに沿った一気通貫の仕組みの構築を進め、働き方を変えていきます。
当社はこれからも様々なことに着手していきます。未来創造室が開発してきたこと、eワーク推進プロジェクトが構築してきたもの、新しい人事制度、在宅勤務など、活用してこそ有益なものになります。必ず皆さんにもプラスになるものですから、積極的に理解を深め、活用してください。
皆さんは今日、期待と不安を胸に抱きながら、ここに座っていることでしょう。これからは、上手くいかないこと、悔しく、辛いことも少なからずあると思います。地道な努力が実らないこともあります。しかし、それらは、社会人として組織で働く人誰もが直面する壁なのです。苦難も前向きに捉えることで乗り切ってください。今まで想像したことも無いような貴重な経験、自分自身を成長させてくれる出会いや感動体験がたくさん待っています。特に、入社してから最初の2年間には数多くの出会いがあり、とても大きな影響を受けると思います。私自身がそうでしたが、この2年間での出会いが将来必ず皆さんの大きな財産になります。ひとつひとつの出会いを大切にしていただきたいと思います。
商品をお客様に買っていただくには、お客様の心を動かさなければなりません。他の商品との競合で同じような内容、同じ金額の中で決め手になるのは、自分を買っていただけるかどうかです。ぜひ、いろんなことに好奇心や興味を持ち、多くのことを吸収し、人として魅力的な人になってください。先輩やお客様に信頼され好かれる人物になってください。コミュニケーションも大事です。相手の目を見てたくさん話してください。誠実に努め続けること、そしてビッグチャレンジを恐れずに逞しく成長して、2020年そしてその先に会社の将来中核を担いうる仕事に邁進していただきたいと思います。
最後に、志を高く持って、品格のあるツーリストパーソンになって下さる様お願いして歓迎の言葉とします。