米国への入国、成田空港で事前審査が可能に、乗継ぎ時間の短縮やテロ対策で ―米国土安全保障省

米国土安全保障省は、2015年5月29日、米国への航空便利用時に出発地の空港内で入国審査を行う制度(プレクリアランス:事前審査)の対象を、東京・成田空港を含めた10空港に拡大する交渉に入る計画を発表した。この制度は、米国の係員を出発地の空港に派遣して実施されるもの。入国、税関、検疫などの手続きをアメリカへの入国前に完了することで、現地到着後の入国手続きや乗り継ぎにかかっていた待ち時間を短縮すると同時に、テロ対策面での効果も期待する。

米国では、すでにアイルランドやカナダなど6か国・15空港で同制度を実施済みで、2014年には1600万人への対応実績がある。

今回拡大検討の対象となるのは、成田国際空港のほか、ブリュッセル空港(ベルギー)、プンタカナ空港(ドミニカ共和国)、スキポール空港(アムステルダム・オランダ)、オスロ空港(ノルウェー)、バラハス国際空港(マドリード・スペイン)。アーランダ空港(ストックホルム・スウェーデン)、アタテュルク国際空港(イスタンブール・トルコ)、ヒースローおよびマンチェスター空港(イギリス)の9か国・10空港。2014年にこれらの空港から米国への渡航者数は、2000万人にのぼるという。

2014年に日本人旅行者数150万人、18%のシェアとなったハワイ州では、この動きを観光産業によい影響を与える趣旨のコメントを発表。ハワイ・ツーリズム・オーソリティ(HTA)によると、プリクアランスの導入によって、成田空港からオアフ島以外の各島にホノルル空港の乗継ぎなく直行便で移動できるようになる。また、ホノルル空港の他国籍旅行者にとっても、ホノルルでの税関手続き行う渡航者の人数減少で快適になるとしている。

北米の入国関連記事>>>

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…