スペイン拠点「メリアホテルズ」が日本で本格営業、その背景とHIS・楽天への期待を聞いてきた

スペイン拠点のメリアホテルズ・インターナショナルが日本での営業を本格化する。アジア地域の営業強化という同社戦略の一環として、日本における営業とマーケティングをアールプロジェクトに委託、営業活動を強化するもの。その営業先の優先順位1位として選んだのは、リアル旅行会社ではHIS、オンライン旅行会社(OTA)では楽天だという。その背景や日本人の海外旅行市場に対する見方をアジア太平洋地域上級マーケティング&セールス部長 Ruben Casas氏に聞いてきた。

*写真:アジア太平洋地域開発部長Estelle Hao氏/Ruben Casas氏/日本地区営業部長・田巻絢子氏

同社は、世界40カ国で 370 以上のホテルを運営するグローバルな大規模ホテルチェーンのひとつ。高級から中級まで7つのブランドで展開している。これまでは、欧米市場が主戦場だったが今後はアジア市場に注力する方針だ。

2015年の日本市場は、既存の大手旅行会社・企業との法人契約やBtoBオペレーターとの販売契約で21%伸びた。2016年はさらに23%伸びを見込んでいるという。Casas氏は、近年、苦戦が続く日本人の海外旅行市場についても「今後は成長が期待できる」と強気の見方をしている。

具体的な営業活動では、日本もグローバル戦略と同様に推進していく。自社サイトとOTAサイトでの価格表示、旅行会社への卸売りなどについての考え方も同様だ。一方で、グローバルなOTAやランドオペレーターとの関係性を維持しながら、「日本市場では日本人の特性にあわせた販売が最適」とCasas氏は説明する。

そして、さらなる日本での成長を牽引するとみているのはHISと楽天とのパートナーシップ。この基盤をまず強化して、さらにパートナーシップを拡大していく方針だ。

メリアホテルズは、すでにHISと楽天ともに客室を最低価格で予約できる「ベスト・アベイラブル・レート(Best Available Rate)」を提示・即時予約が可能なシステム連携を行っているという。そこを活かし、楽天には国内OTAの特性を生かした販売に期待する。特に、Casas氏は多くの日本人会員を持ち、日本人にあったサイト動線(UI)や詳細なホテル情報を提供していることを評価。「日本人のために楽天は重要」と語る。

HISは、日本人の海外個人旅行を取り込むうえで重要との考え。手配・販売が簡易になるシステム連携を強みに、旅行会社らしい送迎やオリジナルプランなどのセットしたツアー提供に活かしてもらいたいという。また、世界各地の拠点・支店での販売にも期待する。

日本は、同社にとってアジアで中国・オーストラリアに続いて年間10万室以上を販売する「キーマーケット」と語るCasas氏。2016年秋にはスペインへの直行便が復活することが決まっており、「日本市場には多くのチャンスがある」とみている。

トラベルボイス編集部:山岡薫

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