「ウーバー(Uber)」や「Lyft(リフト)」に代表されるライドシェアビジネスの収益規模は、あと4年以内に65億ドルまでに急成長する――。
英調査会社ジュニパーリサーチはこのほど発表したシェアリングエコノミー市場のトレンド分析で、ライドシェアビジネスについてこのような予測値を打ち出した。
調査では、2015年のライドシェアビジネスの収益はすでに33億ドルに達成し、2020年には約2倍の65億ドルに至ると推定。その急成長の背景には、これから事業を拡大する余地のある地域が多いことに加え、このビジネスが新規参入企業にとって「ビジネスチャンスを狙う恰好のマーケット」になっている点が大きいと解説している。
収益規模の首位は北米エリアで、2020年時点の総額65億ドルの約3分の1を占める見通し。続いて、西ヨーロッパやアジア太平洋地域(日本を含む極東や中国を除く)がシェアを獲得することになるという。
中国では、現地の配車サービス企業「Didi Kuaidi」の台頭によって苦戦を強いられてきたウーバーも、10億ドルのコストをかけて「新しい市場を取りに行く」と宣言。インドやタイでは、オートバイやオートリクシャー(3輪自動車)を使った配車サービス市場にウーバーが参入し、ビジネスモデルに変化をもたらしつつある。
さらに同レポートでは宿泊業界に関して、「Airbnb」などによるシェアリングエコノミービジネスが2019年までに61億円に至るとの予測も発表した。
ジュニパー社では、「シェアリングエコノミービジネスの今後の急成長は、ホテル産業とって特に重大な懸念となりうる。スペース(空間)のシェアリング事業を新たに手掛ける企業の多くは、従来の規則やルールに縛られることなくビジネスを展開する。そしてそのことが、結果的に伝統的な宿泊業界そのものの"流れを変える"要因になっていくだろう」との見解を示している。
※この記事は、世界的な観光産業向けニュースメディア「トヌーズ(tnooz)」に掲載された英文記事を、同編集部から許諾を得て翻訳・編集しました(トラベルボイス編集部)。
オリジナル記事: Ride-sharing tipped to be a $6.5 billion sector by 2020 (Apr 26. 2016)