政府、九州観光の復興へ支援プログラム発表、割引付旅行プランや旅館・ホテル復旧費用の補助創設なども

政府は平成28年熊本地震の影響を踏まえ、「九州の観光復興に向けての総合支援プログラム」を策定した。熊本県・大分県内の直接的被害だけではなく、九州全域で間接被害が発生している状況に対し、「観光は九州経済を支える基幹産業であり、観光産業への被害は他産業にも多大な影響を及ぼし、中小企業氏の経営や地域雇用にも深刻な影響をもたらしかねない」というのが理由。

「できることは全てやる」方針のもと、喫緊の「応急的取り組み」や今夏休み、秋以降の観光需要創出を目指す「短期的対応」に加え、さらなる発展を目指した「中長期的対応」の3段階で設計しているのがポイント。


「応急的取り組み」

当面の経営の資金的支援と、観光客受入再開・継続するための取り組みが中心。すでに実施している施策に加え、熊本県内の中小企業者向けの貸付・責務保証制度の拡充や、熊本・大分県の旅館・ホテル等の施設・設備の復旧費用に対する補助として「中小企業等グループ補助金」の創設も実施する予定。これには予備費400億円の内数を充てる。


「当面の観光需要回復に向けた短期的対応」

最大のピークである今年の夏休みの旅行需要の回復と、秋以降の需要創出に向けた取り組みと、国内外への情報発信・プロモーションの2点。

需要回復と創出では、予備費180億円で国内・訪日旅行者向けの「九州観光支援のための割引付きプラン助成制度」を創設。また、観光地域振興の関連事業に対する重点配分、優先採択、補助率補助率嵩上げを予定。例えば、「観光地魅力創造事業」での、九州枠の創設・重点採択や、「テーマ別観光による御地方誘客事業」における九州関係事業の優先採択などをあげている。

情報発信とプロモーションでは、予備費20億円で大規模な海外誘客プロモーションの展開と九州地方の地域産品の発信を予定。旅行会社と航空会社と連携した共同広告、海外からのインセンティブツアーに対する支援、外国人のSNS上のクチコミし情報の分析や訪日客の訪問先・購買履歴などのデータ分析なども含まれている。

「より魅力的な観光地域としての復興、発展を支援する中長期的対応」

被災した観光施設の原型復旧だけではなく、より魅力的で快適なものになるための取り組みを推進。熊本城や阿蘇神社など、被災した観光施設や文化財の早期復旧支援のほか、外国人旅行者向けの「避難誘導マニュアル」作成のための自称事業、災害時に外国人旅行者に情報発信を行なう観光案内所への補助の創設を予定している。

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