JTB総合研究所はこのほど、「2016年海外旅行の現状について」と題する調査レポートを発表した。日本の海外旅行市場の推移や消費行動に着目した分析をおこなうもの。それによると、2015年の一人当たりの海外旅行回数(ビジネス含む)平均回数は1.6回。2000年から14年間記録した「1.7回」とほぼ同レベルとなった。
ただし、2000年には29.3%あった20代女性の出国率が24.8%まで低下。一方で、40代、50代、60代の男性の出国率は2000年より上昇していることが判明した。同社では男性の傾向について、ビジネス目的の旅行が増加したことによるものと分析している。
性・年齢別の海外旅行者数の推移は以下のとおり。
また、直近の海外旅行の申込方法をみると、全体平均は「ウェブサイトで」が56.4%で最多。次いで「旅行会社の店舗(来店)」(26.0%)、「旅行会社の店舗(非来店)」(7.2%)の順。ウェブサイト利用率は首都圏ほど高く、首都圏・名古屋圏・大阪圏を除くその他の地域では過半数を下回り、来店・非来店を合わせて旅行会社の店舗経由の申し込みが39.5%と全体平均を6.3ポイント上回る結果となった。店舗で旅行を申し込んだ理由としては、「旅行商品の細かいことについて質問したかった」が最多となっている。
直近の海外旅行で申し込み先は「旅行会社」(全体平均51.9%)が過半数以上を占め、航空会社(13.0%)、その他(13.1%)、オンライン専門旅行会社(9.5%)だった。
直近の旅行の申込先は以下のとおり。
なお、「海外の観光地から学べること」に関する自由回答によると、最も多かったのは「街の景観を壊さない工夫」。スイスでは「荷物を次の目的地まで届けてくれるサービスが便利だった」、フランスでは「電線や電柱が地中化されていて街の景観が美しい、古い建物をリノベーションしておしゃれな街になっている」などが挙げられたという。
今回の調査対象者は2014年1月以降に海外旅行を経験した15歳から79歳までの3399名。調査期間は2016年5月16日から20日まで。