国内IoT市場は5年後に3.2兆円規模に拡大、世界のモバイル端末販売も成長続く見通し ―野村総研推計

野村総研は2016年11月、2022年度までの情報通信技術(ICT)とメディアを対象とする市場規模予測をおこなった。デバイスやソリューション、ネットワーク、プラットフォーム、コンテンツ配信の5分野について、国内外の動向分析結果をもとに推計したもの。

それによると、世界のデバイス分野では、スマートフォンを含む携帯電話端末の販売台数は、2014年の19.9億台から2022年度は22.8億万台へと成長。世界のタブレット端末販売台数は2015年の2.2億台から2.8億台に成長する見通しとなった。また、国内におけるタブレット販売台数は、2015年の770万台から2022年の990万台に推移すると予測している。

世界の携帯電話端末販売台数の推移と予測は以下のとおり。

NRI:報道資料より

ソリューション分野では、IoT市場が2015年の5200億円から2022には3.2兆円規模に成長する見通し。データセンターやクラウド市場が引き続き拡大するほか、サイバー攻撃などから守るための情報セキュリティ市場も大きく成長する。

企業によるIT投資では、これまでの「IT部門×システムインテグレーター型のIT投資」から「現業部門×クラウドプレイヤー型の投資」に移行が進み、市場規模を拡大するとみている。

国内IoT市場規模の推移と予測は以下のとおり。

NRI:報道資料より

ネットワーク市場では、国内携帯電話(PHS含む)契約回線数は、2015年度の1億5405万回線から2022年度の1億7789万回戦に増加する見通し。そこでは、多様なMVNO(仮想移動体通信事業者)の登場が大きく貢献するとみている。

プラットフォーム市場は、B2Cの電子商取引(EC)が2015年度の15.4兆円から2022年度の26兆円に大きく成長すると予測。自宅のPCからの利用だけでなく、スマートフォンやタブレットの活用が市場規模成長を牽引する見通し。加えて、アプリからのネット接続が増加し、ネット広告市場も大きく成長。Apple PayやAndroid Payなど、スマートフォンのプラットフォームを利用した「スマートペイメント」市場も拡大すると予測している。

動画コンテンツ配信分野では、2015年度の1531億円から2022年度は2188億円に成長。Netflixなど、固定料金で映像を視聴できるサービスが浸透することが市場拡大を後押しする。また、4Kやハイレゾ、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)コンテンツなどが普及し、配信コンテンツの多様化も推測される。

そのほか、ゲームのハードウェア市場規模は2015年度の1353億円から2022年度の970億円へ、ソフトウェア市場は2015年度の9987億円から2022年度に1兆132億円へ拡大する見通しだ。

今回の調査分析に関する市場の定義などは以下まで。など、詳細分析結果などは単行本「ITナビゲーター2017年版」として発売されている(東洋経済新報社刊)。

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