エイチ・アイ・エス(HIS)は、持ち株比率を7割に引き上げたミキ・グループの連結子会社化に関し、協業方針を発表した。
HISは、ミキ・グループがHISと競合する旅行会社を主要顧客としていることに最大限の配慮をし、取引顧客との信頼関係の維持を最優先事項とすることを強調。ミキ・グループの独立・中立的な経営体制や意思決定をはじめ、事業運営も現行通り分離・独立させ、組織再編やHISからの人材派遣等は行なわない予定であると発表した。
さらにミキ・グループの顧客情報もHISの競合情報となるとの認識を示し、ミキ・グループ内での情報管理を徹底して、両社間で共有することはないと表明した。
その上で、今回の連結子会社化で協業・提携関係を強化するのは、アジア市場とオンライン事業。世界233拠点を展開する中で、特にタイやインドネシア、ベトナム、マレーシアなど成長著しい東南アジア事業を強化するHISと、日本発欧州地域での実績を基盤に多様なマーケットの受け入れ体制整備を推進するミキ・グループが協業することで、BtoC、BtoCの双方で両事業での成長と企業価値の向上を図っていく。
具体的には、アジア市場において、人材交流や両社の仕入れ商材の共有、販売強化などを積極展開する予定。オンライン事業では協業強化の最優先領域とし、両社の商材や販売チャネル、システムの資源を最大限活用した世界展開を加速する。
これらの取り組みを通し、HISは世界の旅行市場におけるグローバルツーリズム事業を促進。ミキ・グループとともにアジアからのアウトバウンドを中心とした欧州旅行市場の振興を加速し、世界ナンバーワンのランドオペレーターを目指すとしている。