情報通信総合研究所の推計によると、2016年のシェアリングサービス市場規模は年間約1兆1800億円。将来的な可能性を踏まえた潜在市場は2兆6323億円に至る見通しとなった。
この調査は、「スペース」「モノ」「移動」「スキル」「お金」の5分野に関するシェアリングサービスについて、サービス提供側と利用側で発生した額をもとに推計したもの。サービスやモノの提供側が得た収入を市場規模と定義している。
一方、利用側(個人と法人を含む)による支出は、2016年で年間4401億円、潜在市場は1兆1144億円。特に、潜在市場も含めた「移動のシェア」の利用需要が3965億円と大きいのが特徴。同社ではこの結果について、地方で移動手段がないシニア層などによる「移動のシェア」需要が今後大きく拡大するものと想定している。
市場規模の全体像は以下のとおり。
この調査の対象は20代から60代までの男女で、サンプル数は2663。調査期間は2016年12月1日から12月3日まで。取引金額については、インターネットユーザーのシェアリングサービス利用率や利用したことによる月額平均収入・支出をアンケート調査で取得。総務省発表の年代別人口やネット利用率を用いて推計した。現時点では利用者が少ないため、収入・支出については年代別ではなく回答者全体の平均値を採用している。
なお、今回の調査は日本人を対象としており、外国人が日本で利用した際の支出は含まれていない。そのため、収入額に対して利用側の金額が小さくなるなどの差が生じている。
この調査でアンケートに用いたサービス内容は以下のとおり。
対象としたサービス
※分類:対象サービス(サービス名)
- スペースのシェア:ホームシェア、農地、駐車場、会議室のシェア(Airbnb、STAY JAPAN、スペースマーケットなど)
- モノのシェア:フリマ、レンタルサービス(airCloset、ラクサス、ジモティーなど)
- 移動のシェア:カーシェア、ライドシェア(Uber、notteco、Anyca など)
- スキルのシェア:クラウドソーシング、家事代行、介護、育児のシェア(クラウドワークス、アズママ、タスカジなど)
- お金のシェア:クラウドファンディング(Makuake、READYFOR、Crowd Realty など)