米、パソコンの機内持ち込み禁止を一部解除、中東各社の米国路線への安全対策が進む

(提供:AP通信)

米政府は、中東など7都市からの国際線を対象に導入していたパソコンの機内持ち込み禁止ルールについて、セキュリティ検査が十分なレベルに改善されたことを理由に、一部の航空会社を適用対象外とした。

AP通信によると、エミレーツ航空(EK)とトルコ航空(TK)が2017年7月5日、同規則の対象外に認定された。またこれに先だち、7月2日には、エティハド航空も同禁止ルールの対象外に認定。各社とも、空港での検査内容などが、米セキュリティ当局の要求を満たしたためとしている。

パソコン持ち込み禁止は、ISILなどテロ組織が電子機器に爆発物を仕掛けることへの懸念から、米政府が決定したもの。今回、適用対象外に認められた航空会社の対応について、詳細は明らかにされてないが、トルコ当局はイスタンブール空港でCTスキャナーの使用を開始し、電子機器の断面画像を確認できるようになった。そのほか、米国便の出発ゲートを2つに限定。保安対策がとりやすい体制を整えた。

エミレーツ航空では「全ての米国行きフライトを対象に、米国土安全保障省(DHS)が設ける新しいセキュリティ・ガイドラインの要求を満たすよう、セキュリティ対策と関係当局との協定を強化した」と説明。同社では「米国と当局の支援に、そしてこの数ヶ月間、電子機器の機内持ち込み禁止措置に対し、理解と協力をいただいたお客様に感謝する」との声明を出した。

規制解除を受けて、トルコ航空では、イスタンブールで搭乗客に「シートベルトを締めて、ご自身のデバイスをお楽しみください」とツイート。同社によると、機内持ち込み禁止となっていた102日間に旅客から預かった電子機器は計8万1000台。機内バゲージエリアに特定の保管場所を設けて対処していた。

米政府がパソコン機内持ち込み禁止を打ち出したのは今年3月。現在、同ルールの対象となっているのはアンマン(ヨルダン)、クウェート・シティ、カイロ、ジェッダとリヤド(サウジアラビア)、カサブランカ(モロッコ)、ドーハ(カタール)の7都市から、米国各地へのノンストップ便。また5月には、トランプ大統領が訪米中のロシア高官と、ISILによるノートPCを使った航空機テロに関する機密情報について話し合った。

湾岸諸国の3大航空会社では、カタール航空だけがまだ同規制の適用対象外に認定されていない。しかし訪英中のムハンマド・ビン・アブドルラフマン・アール・サーニー外務大臣は「米当局のセキュリティ担当官は、すでにドーハ入りしている」と話した。またサウジアラビア航空の関係者は、同社便について、7月19日までに適用外対象に認定されるのではないかとの見方を示している。

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