J.D.パワーが実施した「2017年北米ホテル宿泊客満足度調査」で、顧客の満足度でホテルの直接予約やモバイルアプリが重要な要素となっていること結果が明らかになった。調査は2016年5月~2017年5月まで、北米のホテルに滞在した米国とカナダの宿泊客を対象に実施し、6万3000人以上の回答をもとにまとめたもの。
このなかで、ホテル宿泊予約のうち、オンライン予約の25%がモバイル経由で、その割合は2014年の14%から上昇。また、ホテル会員の場合、ホテルへの直接予約が75%、会員専用サイトからの予約が47%と多く、満足度も高い。特にホテルのモバイルアプリを利用する宿泊客の満足度は高く、ホテルブランドに対するロイヤルティも高いことが分かった。
宿泊客のうち、ホテルのアプリをダウンロードしている人は約2割だが、ホテル会員に限ると7割と多勢。宿泊時にモバイルアプリを使用した人は、ホテルで得た良い経験をSNSでシェアする傾向が強いという。
これに対し、直接予約ではなく、OTAなど他の予約サイトやそのアプリからの予約の場合、宿泊客はトラブルや不快な思いを経験することが多く、満足度が低下する傾向が強いという。ただし、OTA経由の宿泊客数は2013年の16%から2017年は19%に上昇している。
また、SNSの利用傾向として、SNSで体験をシェアする宿泊客は全般的に満足度が高いが、トラブルを経験した宿泊客が投稿する割合も86%と高い。宿泊客の52%が過去1か月以内にホテルのレビューなどを読んだと回答しており、そのうちの46%は過去半年の間にレビューを書いた経験があると回答した。
こうした結果を踏まえ、J.D.パワーのトラベル/ホスピタリティ分野の担当者は、宿泊客のモバイル利用が浸透するのに従い、ホテルは直接予約の促進と、直接予約の環境整備の2つの課題があると指摘。そのためにも、確固たるモバイル戦略の構築が重要だと提案している。
なお、北米のホテルを対象にした宿泊客満足度調査では、8つのセグメントに分けて総合満足度スコアを算出。このうち、「ラグジュアリー」セグメントは、JWマリオットとザ・リッツ・カールトンが同率で1位。ザ・リッツ・カールトンは3年連続で1位となった。各セグメントのトップは以下の通り。
【J.D.パワー 2017年北米ホテル宿泊客満足度調査 セグメント別1位】
- ラグジュアリー:JW マリオットとザ・リッツ・カールトン ※1(同率)
- アッパー・アップスケール:ハイアット
- アップスケール:ヒルトン・ガーデン・イン(2年連続)
- アッパー・ミッドスケール:ドゥルーリー ホテル(12年連続 ※2 )
- ミッドスケール:ウィンゲート・バイ・ウィンダム(3年連続)
- エコノミー:アメリカズ ベスト バリュー イン
- アッパー・エクステンデッド・ステイ:ステイブリッジ スイーツ
- エクステンデッド・ステイ:キャンドルウッド スイーツ