IoT活用で東北のインバウンド増加へ、ロボットと通信する観光アプリやシェアサイクルなど、異業種ら協業で実証実験

岩手・三陸エリアで、訪日外国人旅行者の増加を目指す協業コンソーシアム「三陸おもてなしステーション」が、先ごろ発足した。経済産業省の「IoTを活用した新ビジネス創出推進事業(IoT活用おもてなし実証事業)」を活用し、同エリアでの実証実験を開始する。

経産省のIoT活用おもてなし実証事業では、IoTを活用して事業者同士が情報を共有・活用し、質の高いサービスを提供する「おもてなしプラットフォーム」の構築と、2020年までの社会実装を目指している。具体的には、訪日外国人が買い物や飲食、宿泊、レジャーなどの各種サービスを受ける際に必要な情報を、本人の同意のもとに同プラットフォームで共有・連携し、様々な事業者や地域がその情報を活用したサービスを提供できるようにするもの。

「三陸おもてなしステーション」を構成するのは、ガイアックスなどシェアリングエコノミー事業会社やツーリズム人材開発などを始めたパソナ東北創生をはじめ、IT企業、調査研究や企業者支援の団体など9者。旅行関係では第2種旅行業者でもある三陸鉄道が参加しており、実証実験では三陸鉄道の主要駅を拠点に展開する。

暮らし体験マルシェ「TABICA」のインバウンド向けサイトによる地域体験サービスや、アプリ内で決済やロボットとの通信が可能な現地観光アプリを稼働したほか、9月1日には岩手・三陸地域の商品を販売するECサイトや主要5駅でのフリーWi-Fiの設置、シェアサイクルを開始。以降も、切符の買い方や観光情報まで対応するロボット駅員の設置やスマートフォンでのモバイル決済も導入する予定だ。

これらのタビマエからタビナカ、タビアトの一連の連携サービスを構築しつつ、同エリアが抱える観光の4つの課題「地域資源の活用」「情報発信と誘客活動」「地域受け入れ体制の整備」「インバウンド対応」の解決に取り組む。実証実験では、インバウンドのみならず国内観光客の増加にも取り組み、2020年の本格運用を目指すとしている。

三陸おもてなしステーション取り組みイメージ:発表資料より

▼「三陸おもてなしステーション」9者の各社概要とコンソーシアムにおける役割

※企業名:企業概要/コンソーシアムにおける役割

  • 株式会社ガイアックス:SNS・シェアリングエコノミー事業など/プロジェクト統括、地域体験サービスとマーケットプレイス運営
  • 公共財団法人さんりく基金:三陸地域の振興に関する総合的な調査研究など/営業プロモーション展開、イベント企画
  • NECネッツエスアイ株式会社: ICTシステムの企画・設計・構築など/ローカルプラットフォーム基盤構築、ロボット定員、フリーWi-Fi、電子スタンプ導入
  • RAY LAB合同会社:スマートフォンアプリやウェブサイト開発など/観光サービスコンテンツ運用、インバウンド対応多言語システム運用
  • 三陸鉄道株式会社:鉄道事業、第2種旅行業など/鉄道事業、ツアー企画
  • 一般社団法人さんりく未来推進センター/地域の企業者・事業者の支援、マッチング
  • 株式会社パソナ東北創生:人材開発研修ツーリズム事業など/ツアー人材開発研修ツーリズムの企画運営
  • 株式会社ぴーぷる:ITコンサルティング、システム開発など/地域物産ECサイト構築運用
  • コギコギ株式会社:シェアリサイクル事業など/シェアサイクル運営
おもてなしプラットフォーム

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