観光庁は、2017年3月に多くの負債を抱えて破産したてるみくらぶの事案を踏まえ、消費者保護を目的とした弁済制度のありかたや企業ガバナンスの在り方について最終的な検討結果をとりまとめた。
2017年8月のとりまとめで先送りになっていた「弁済制度見直しの詳細」では、弁済業務保証金制度の引き上げを「第1種旅行業者を対象に行う」ことで決定。観光庁としては、年内に具体的な引き上げ幅の数値(金額)を示し、企業側の来年度の予算組みに取り込んでもらう考え。大幅な引き上げにはならず、ボンド保証制度と併用した運用で賄える範囲になる見込みだという。
ただし、対象となる第1種旅行業者でも海外募集型企画旅行の取扱いが小規模な場合は、現在の保証額で弁済率が十分あるとして保証金の積み増しは行わない方針。弁済業務保証金の引き上げ総額の不足分は、ボンド保証制度に加入を促すことで補う方針だ。
その他、最終とりまとめでは基本的な考え方として、(1)企業ガバナンスの評価、(2)弁済制度の見直しの2点を軸に整理したもの。そのうち、企業ガバナンスについては、5年に1度の旅行業法上の更新時期以外に経営適正化のチェックを実施で決定。不正事案を発見した場合に使用できる通報窓口を導入といった方策も前回8月の発表内容と同様の方向性で確定した。
それぞれの再発防止策について、具体的な項目とスケジュールを明文化。たとえば、広告募集や旅行者募集の在り方、旅行業宿泊施設への支払期間期間などの見直しについては、2017年12月に実施。一方、経営状況の把握や通報窓口の設置、企業自身の監査体制、弁済業務保証金制度の見直しなどについては、実施時期を2018年4月に設定し、適宜省令改正も含め、準備を進める。
方向性の最終決定内容はスケジュールなど詳細は、以下資料より参照できる。
新たな時代の旅行業法制に関する検討会「経営ガバナンスワーキンググループ とりまとめ」(PDFファイル、12ページ)