欧州のレジャー旅行老舗、トーマスクック社(Thomas Cook)が2017年9月14日、エクスペディアとの戦略的提携を発表した。トーマスクックはエクスペディアとの提携により、得意分野である欧州市場向けのビーチリゾートへのパッケージツアー商品に注力する一方、それ以外の都市ホテル滞在やホテルのみの手配について業務効率化を図る計画だ。
トーマスクック社は、英国で1841年に創業した老舗旅行会社。世界の旅行会社のビジネスモデルをつくった先駆けで、現在ではインターネットによる旅行販売や航空事業などを展開する欧州大手でもある。エクスペディアはトーマスクックの優先契約パートナーとなり、欧州市場向けのトーマスクックのすべての流通チャネルに対し、予約プラットフォームを提供する。ライバルのプライスラインと比較した場合、同社の課題となっていた欧州市場の取り込み強化にもつなげたい考え。
提携後、トーマスクックが扱うホテル数は世界全体で6万軒以上増加。同社にとっては、利用客に提供する選択肢を増やすと同時に、都市ホテル取扱いのコストを大幅に削減。業務を効率化するメリットがある。エクスペディア側はホテルや都市型パッケージの販売で、トーマスクックが展開する店舗や旅行代理店、ウェブサイト経由での売り上げ増が期待できる。
またトーマスクックでは、主力商品であるビーチリゾート滞在型パッケージツアーについても、今後、エクスペディアが世界各地で展開するサイト上で販売する可能性も検討していく。
トーマスクックのピーター・ファンクハウザー最高経営責任者(CEO)は、「エクスペディアの取扱いホテルとオンライン技術力により、当社の都市ホテルやホテル予約サービス業務が進化し、収益アップにもつながる」と提携のメリットを説明。さらに「互いの強みを活かした提携により、トーマスクックが最も競争力を発揮できる分野であるビーチリゾートでのパッケージツアー開発やホテル運営に、これまで以上にフォーカスする余裕が生まれる」とコメントしている。
エクスペディア・ブランド責任者のアマン・ブタニ氏は、「トーマスクックという尊敬すべきブランドとの提携で、当社の欧州市場における競争力アップを図る。当社のグローバルパートナー・ソリューション・ビジネスは、提携相手が自社ブランドを維持しながらエクスペディアの技術とオペレーション、各種サービスを活用できるもの。より多くのお客様に満足していただける」と期待している。
トーマスクック グループ