警視庁は、経営破綻したてるみくらぶ代表取締役の山田千賀子氏と、同社およびグループの経理統括者である笹井利幸氏を、有印私文書偽造および詐欺の容疑で、2017年11月8日に逮捕した。
*写真:今年3月破綻時の記者会見の様子(撮影:トラベルボイス編集部)
警視庁によると、容疑の内容は両氏らが共謀の上、かねてから虚偽の決算書を提出して財務や経営状態が良好であると取引先企業に誤信させ、収支金名目で約2億円をだまし取ろうとしたもの。
今回の件は、2016年6月下旬頃から同年9月中旬頃の間に、千代田区所在の事業者に対し、「航空機をチャーターするための資金」と嘘を言った上、数回にわたり、偽造した請求書を提出した。融資金は航空機代金に充てられ、その売上代金から返済が受けられるものと誤信させ、てるみくらぶの預金口座に現金合計約2億円を振込入金させた。
なお、11月6日開催の債権者集会では、「多額の粉飾決算」の項目の入った資料を配布し、同社は粉飾決算があったことも認めている。格安の旅行販売で運転資金調達のための自転車操業的な営業で赤字商品の販売を続けていた。一方で、2011年9月期から2016年9月期の6年間で、株主への配当が総額3億1000万円にも達していたことも明らかになっている。