年末年始の日本人の旅行、海外は過去最高70万人超え予測、総数は1%増の3027万人、消費額も増加傾向に ―JTB推計

JTBは2017年12月5日、この年末年始(2017年12月23日~2018年1月3日)の旅行動向見通しを発表した。それによると、国内外を合わせた総旅行人数合計は、前年比1.0%増の3027.4万人となる見通し。マイナス推移となった前年よりも28.9万人増加する予測になった。

そのうち海外旅行は2.8%増の70.4万人で過去最高を予測。国内旅行は0.9%増の2957.0万人との推計になった。

総旅行消費額は、3.9%増の1兆883億円。海外旅行は2.3%増の1450億円、平均費用は0.4%減の20万6000円。また、国内旅行の消費額は4.2%増の9433億円、平均費用は3.1%増の3万9000円。海外旅行は平均費用が微減となったが、人数の増加により総額は増加。昨年の消費額(実績推計)は国内旅行と総額がマイナス推移となったが、今年は海外旅行ともに増加に転じるかたちとなった。平均旅行日数は前年並みの3.6日。

2017年年末年始(2017年12月23日~2018年1月3日)の旅行動向推計値は以下のとおり。

JTB:報道資料より

同社では、今年の年末年始に関する全体的な傾向として、長めの連休を取りやすい日並びであると分析。また、日本の景気がゆるやかな回復基調にあり、冬のボーナスは小幅ながら3年ぶりのプラスに転じるとする調査予測などの好材料に言及。ただし生活者としては景気回復の実感に乏しく、いまだ支出については慎重な姿勢が継続するとみている。

また、同社が実施した年末年始の旅行に関するアンケートによれば、約4割を占める38.3%が「(昨年と今年の年末年始で)特に違いはない」と回答。日数についても「昨年と同じ日数の旅行に行く」人が12.6%で最多だった。一方、「昨年より収入が増えた」人が2.9ポイント増の12.0%に拡大。「昨年よりお金をかけずに質素に過ごす」が6.6%、「昨年よりお金をかけて豪華に過ごす」が10.2%となり、節約度合いを少し緩めて休暇をできる限り楽しみたい意向も垣間見られる結果となった。

海外旅行の傾向 -グアム・サイパン除く全方面で増加傾向

海外旅行の出発日のピークは、12月29日と30日。しかし、航空券などが安くなる新年1月2日、3日発も増加傾向となった。

方面別人数(推計)では、アジア全体が3.8%増の46.2万人、北米合計が1.8%増の5.6万人、ハワイが1.6%増の6.3万人、グアム・サイパンが9.7%減の2.9万人、欧州合計が1.9%増の5.4万人、大洋州(豪州、ニュージーランド、南太平洋)が3.7%増の2.8万人、その他(中近東・アフリカ・中南米など)が9.1%増の1.2万人。グアム・サイパン以外の全方面で増加した。

アジアの国別推計値は以下のとおり。

JTB:報道資料より

国内の動向 -2泊・3泊など長めの旅行が増加

国内出発日(最も遠くに行く旅行)のピークは12月30日(20.3%)が最多。次いで12月31日(18.4%)、1月1日(12.0%)と続いた。

アンケートによれば、国内旅行の日数は昨年よりも「1泊2日」が減少する傾向がみられ、2泊3日や3泊4日など、昨年よりやや長めの旅行をする人が多くなる見通し。目的は帰省が多く、利用する宿泊施設は「夫や妻の実家」が最多である一方、「ホテル」「旅館」も増加。国内旅行についての考えや気持ちでは、「泊まってみたい話題の宿泊施設が増えた」(27.3%)、「乗ってみたいと思う観光列車などが増えた」(23.8%)」などの回答も集まった。同社ではこの状況について、選択肢の多様化が旅行需要の活性化にもつながっていることを示唆。予約状況でも山奥の秘湯やスノーシューツアーといった屋外アクティビティができる地域に人気が広がったとしている。

なお、利用交通機関では、乗用車が引き続き最多(2.1ポイント増の69.0%)。次いで「高速/長距離バス」が4.9ポイント減の3.2%、「格安航空会社(LCC)」が0.1ポイント減の1.3%、従来の航空会社が3.3ポイント増の11.4%。また、鉄道ではJR新幹線が2.3ポイント増の16.5%だった。

国内旅行の利用宿泊施設は以下のとおり。

JTB:報道資料より

この動向調査は、アンケートや経済動向、業界動向、航空会社やJTBグループの販売・予約状況などから推計したもの。

アンケートは、全国200地点で15歳から79歳までの男女1200名を対象に実施。調査期間は2017年11月2日から11月14日。2017年12月23日から2018年1月3日までの1泊以上の旅行について調査した。

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