観光庁はこのほど、日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)や日本旅館協会など業界団体に向けて、2017年度(平成29年度)年末年始のテロ対策の徹底について注意喚起をおこなった。
国土交通省が最重要課題の一つとして「テロ施策の強化・徹底」に取り組んでおり、2019年のラグビーワールドカップや2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、テロ対策について万全を期す考えを提示。公共交通機関や大規模集客施設といったいわゆるソフトターゲットが狙われる傾向にあり、依然として国際的なテロの脅威は深刻な事態にあるとしている。
特に、旅行需要が活性化し、イベントなどへの多数の人出が予想される年末年始には、業界として旅行者の安全確保に万全を期すよう、顧客への情報提供と注意喚起を促している。
例えば、日本旅館協会に対しては、宿泊名簿への正確な記入や不審者などの発見に向けた施設内外の巡回・点検の実施が必要と明示。捜査機関から協力要請があった場合は対応するとともに、事件・事故発生時の連絡や救助体制などについて、業界全体として訓練や連絡先一覧の整備、命令系統や従業員の任務分担の再確認などが必要としている。
なお、国土交通省では、2017年11月21日に「年末年始の輸送等に関する安全総点検」の取組みを発表。2017年12月10日から2018年1月10日にわたり、各輸送機関のテロ対策のほか、安全管理・安全対策、関係法令などの遵守状況、施設などの点検整備状況、新型インフルエンザ対策なども視野に自主点検をおこなう機関に位置付け。国交省は各機関に指導をおこなうほか、期間内に現地確認を実施するとしている。