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アップアニーはこのほど、2017年アプリ市場総括レポートを発表した。それによると、世界全体でのアプリダウンロード数は2年前と比べて6割増の1750億件、アプリストアの消費支出は2倍の約860億ドル(約9兆4600億円)に拡大した。国別では、中国による消費が顕著で、2年間で2.7倍の340億ドル(約3兆7400億円)に成長。日本全体は6割増で130億ドル(約1兆4300億円)を超える結果となった。
各国の消費支出額の推移は以下のとおり。
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旅行関連アプリ分野の動向をみると、合計セッション数の増加が顕著だ。セッション数がもっとも多い米国は2年前と比較して55%増、次いで韓国が9割増。日本は3割増となった。
旅行アプリのセッション数推移は以下のとおり。
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旅行関連サービス別では、オンライン旅行会社(OTA)アプリと横断比較アプリ(メタサーチ)の月間利用者数(MAU)合計が2000万人に達しているのに対し、航空会社のアプリは400万人程度の規模となっている。
ただし、ユーザーあたりの月間平均利用時間をみると、OTAや横断アプリではここ数年減少傾向がみられる一方で、航空会社のアプリでは2年間で1割増と拡大。この現象についてアップアニーでは、航空会社がアプリの機能向上に注力したほか、ユーザーとの関係構築を強化したことが奏功。アプリを通じた顧客ロイヤルティの向上につながったと分析している。
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そのほか、オンラインショッピングなど小売アプリ分野でも全体的に総セッション数が増加。米国が2年前と比較して7割増、韓国が8割増となったのに対し、日本は約2倍に拡大。傾向としては、デジタルファーストの小売アプリの成長がめざましく、「実店舗&オンライン併用型」アプリの脅威になりつつあると分析している。
小売アプリの月間セッション数の比較推移は以下のとおり。
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なお、ファイナンス系アプリのダウンロード数の増加数では、インドネシアとブラジルが2年前と比較して30倍増と突出した伸び。また、インドや中国、東南アジアではキャッシュレス化の促進要因として決済アプリの浸透が挙げられるとしている。
この調査は、同社のアプリ市場データ分析ツール「App Annie Intelligence」を用いておこなわれたもの。
詳細レポートは以下から入手できる。
「2017年アプリ市場総括レポート」を公開