観光庁はこのほど、2017年の訪日外国人旅行者について、訪日回数と消費動向の関係をまとめた。それによると、訪日回数が2回以上におよぶ「リピーター」の数は61.4%の1761万人。割合自体はほぼ6割で推移しているが、訪日旅行者数の増加に伴いリピーターの数も年々増え、2017年は前年に比べて300万人以上増加した。
リピーター比率を国別にみると、韓国(30%)が最多。続いて台湾(25%)、中国(18%)、香港(13%)の順となり、これら4か国・地域でリピーターの86%を占めた。
これら4か国・地域の訪日回数の割合は、香港では10回以上のヘビーリピーターが2割と多く、台湾も15%を記録。一方、韓国は2~5回が約半数、中国は1回目の訪問が6割。国によってリピーター比率の傾向が異なることが分かった。
アジア主要4か国・地域のリピーターの行動傾向は?
訪日回数を重ねるほど消費額も拡大
訪日旅行の回数と旅行支出の関係をみると、回数が増えるにつれて1人当たりの旅行支出も増えることが分かる。例えば、観光・レジャー目的の中国人訪日旅行者は、最初の訪問時の支出は平均22.1万円、2~5回目では23.2万円、6~9回目では28.4万円。さらに10回以上のヘビーリピーターでは30.2万円となり、初回訪問時と比べて約4割増。同様に、韓国、台湾、香港でも1回目と比較して10回以上のヘビーリピーターの支出は2~4割程度多かった。
リピーターほど地方訪問の機会も増加
訪日リピーターによる日本での過ごし方をみると、韓国、台湾、香港ではリピーターの地方訪問率(千葉県・埼玉県・東京都・神奈川県・愛知県・京都府・大阪府・兵庫県以外への延べ訪問率)が高くなる状況。一方で、中国では、訪問率自体に大きな変化はないが、訪日回数が増えるほどエリアが拡大する傾向があったのが特徴だ。
以下は、中国人旅行者の訪日回数別・訪問地の状況。訪問回数が増えるにつれ、訪問率が1%以下の白い部分が少なくなっている。
訪日回数に応じて「次回したこと/したいこと」にも変化が
「日本で次回したこと」も訪日回数によって変化がある。韓国、台湾、香港、中国のいずれも、訪日回数が増えるほど「日本の酒を飲むこと」の実施率が上昇。台湾や香港では10回以上の訪問で「温泉入浴」実施率が半数に達した。一方、韓国、香港、中国では最初の訪日旅行で「テーマパーク」訪問が最多となった。
なお、「スキー・スノーボード」や「スポーツ観戦」については、国籍や訪日回数に関わらず、実施率より「次回したいこと」に挙げる割合が多いのが特徴だ。