京都市観光協会は、2018~2020年度経営戦略を策定した。同協会は昨年11月に「日本版DMO」のひとつとして観光庁から認定され、今年4月には京都文化交流コンベンションビューローが担ってきたインバウンド事業の移管受入も完了。観光政策の推進を一元的に担う「京都市版 DMO」として本格稼働するにあたり、新たに3カ年の経営戦略を定め、具体的な取り組みとして、事業者(会員)の支援、政策課題の解決、科学的経営を掲げた。
事業者(会員)の支援では、関係観光業者間の協業を促すために法人向けウェブサイトを構築するほか、ベンチャー・起業支援につながる新しい事業の研究開発に取り組む。また、AIなどによる個別ニーズに即応した情報発信、ウェブサイトでのチャットボットの導入など、最新技術を活用したコミュニケーション活動にも力を入れていく。
そのうえで、各コミュニケーションツールでの2020年の目標を設定。情報サイト「京都観光Navi」のPVは、現在の3000万から5000万に、訪日向け情報サイト「Kyoto City Travel Guide」は600万から1000万を目指す。また、フェイスブックのフォロワー数の目標は、日本語公式アカウントで6万人、英語公式アカウントで100万人。また、中国市場向けにWeiboの運営を行う。
政策課題の解決では、市内に集中する需要の分散化を実現するプロジェクトチームを設置し、各エリアに特化した事業を推進するほか、周辺地域DMOとの連携も強化していく。また、富裕層や京都に関心の高い観光客の誘致に向けたビジネスモデルを構築するなど、文化力を活かした観光資源の高付加価値化を進めていく。
科学的経営では、PDCAサイクルを重視。国内・国際観光のノウハウを融合し、マーケティング、プロモーション、コンテンツの開発を一元的に推進していくほか、デジタル技術の活用に積極的な投資をしていき、広告費に占めるデジタル比率を現在の5%から2020年には20%にまで引き上げる計画だ。