東京商工会議所は、2019年4月11日開催した常議員会で、観光委員会がとりまとめた「わが国と東京における観光振興に関する意見について」を決議した。政府の「明日の日本を支える観光ビジョン」の実行に向け、誰もが快適に過ごせる受入環境整備、地域資源の磨き上げによる地域の向上、観光産業の革新とプロモーション強化の3つの柱で意見をまとめた。
意見書では特に、ナイトエコノミーの活性化など消費拡大に向けた体験・交流型観光、キャッシュレス決済環境への対応支援、災害時の多言語化など観光危機管理体制の強化、国内観光・アウトバウンドの活性化、オーバーツーリズムに対応し持続可能な観光の推進を重点的に挙げている。
現状と課題として、リピーターと個人旅行者の増加に伴った消費ニーズの多様化・広域化、2018年に相次いだ自然災害発生時の外国人への対応不足などを指摘。具体的な施策については、医療機関などの受入体制構築、新たなモビリティサービスの取り組み支援、健全な民泊サービスの推進、中小企業向けの消費税免税手続電子化への支援、水辺空間・舟運の活性化などを挙げたのが特徴的だ。東京商工会議所は「観光立国の実現には、国際競争力の強化が不可欠。地域における旗振り役として、今後も積極的に取り組んでいきたい」としている。