令和への改元により、最大の経済効果が見込まれるゴールデンウイーク(GW)10連休が間もなく始まる。観光産業では全国各地で特需を意識した企画が目白押しだ。JTBのGW期間旅行動向によると、総旅行人数は前年比1.2%増の2467万人。そのうち海外旅行は前年同期比6.9%増の66万2000人、国内旅行は1.1%増の2401万人だ。10連休だからといって、旅行者が倍増するわけではないものの、観光業の各社は商機を狙って各種企画を発表している。国内で目を引いたGW企画の一部を紹介する。
ホテルや観光施設はファミリー層向けの施策が多い。レゴランド・ジャパンのオフィシャルパートナーであるザ ロイヤルパーク キャンバス 名古屋は、AR(拡張現実)アプリを活用したコラボ企画を用意。クイズラリーの問題にスマートフォンをかざすと表示されるヒントにもとにレゴランド・ジャパン内を探索する仕掛けで、大型連休中ならではの特別の楽しみ方を提案する。
インバウンド誘致に積極的な横浜・八景島シーパラダイスも、GW期間中に夏期に先駆けて子どもたちに人気のレッサーパンダの展示や花火を開催。バーベキュー食べ放題の花火特別観覧席、貸し切りボートなどを用意している。
大人向けの斬新な企画が目立つのは渋谷エクセルホテル東急。平成から令和に切り替わる4月30日チェックイン、5月1日チェックアウト限定で、渋谷の代名詞・渋谷スクランブル交差点を地上100mに位置する日本料理店から望むプランを設定。カウントダウンスペースでスパークリングワインを提供しながら新しい元号を迎える凝った趣向だ。
また、GW期間は旅行商品の高騰が目立ったが、九州旅客鉄道(JR九州)は、10連休にも適用可能な割引切符を用意。インターネット予約かつ初回限定で最大55%割り引く新幹線や特急列車の切符「お試しネットきっぷ」だ。たとえば、通常片道7000円の福岡市内/鹿児島中央間を3450円で販売している。
こうして業界が攻勢をかける一方で、大型連休は自宅で過ごす派も少なくない。子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」を実施するアクトインディが12歳の子どもを持つ1033名を対象に実施した調査によると、今年のGWは「せっかくの10連休だからといって予算を奮発するよりも、混雑を避けて休息」や「家の修理や大掃除、片付けなど日ごろできない家事をする」と回答する人が多い傾向だ。クロス・マーケティングによる「GWの10日間すべて休める人は3割」という調査結果もある。
10連休という初めての大型連休。追って明らかになるであろう、人の動きと経済効果に注目だ。