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帝国データバンクは先ごろ、京都府内のホテル・旅館を主業とする企業156社の経営態調査(2017年度)を発表した。
これによると、対象企業の収入高合計は2013年度以降、国内外の観光客の増加を背景に5年連続で増加。2017年度は前年比9.0%増の1226億500万円となり、伸び幅も過去5年間で最大となった。
ただし、2017年度は増収企業の数は減少し、減収企業と横ばい企業が増加。収入高規模別でみると、収入が高いほど増収企業の割合が大きいが、収入高が小さくなるほど横ばい企業が増えた。
具体的には、「100億円以上」の企業が3社すべて増収。次いで「10億円以上50億円未満」の企業は6割弱、「5億円以上10億円未満」の企業は4割弱が増収となった。これに対し、最も企業数の多い「1億円以上5億円未満」の企業で増収したのは3割強で、5割弱の企業は横ばいに。「1億円未満」の企業は増収が1割強、横ばい企業が6割弱になるなど、収入規模によって2極化の傾向が鮮明になった。
この結果について帝国データバンクでは、施設数や収容客数の多い大手企業は収入拡大傾向にあるが、収容客数が限られる中小企業では伸び悩んでいる状況だと指摘する。
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京都府内では今後も「パークハイアット京都」や「アマン京都」などの海外高級ホテルから、JR西日本グループの「ヴィアイン京都八条口」など多様なホテルのオープンが予定され、2020年までの新規開業計画が相次ぎ、競争激化が予想される。
一方、今回の調査結果では増収企業数が減少し、収益高規模での2極化傾向も露見。業歴の長い企業では稼働率が高水準となり、飽和状態に達していることも見て取れる。これらを踏まえ帝国データバンクでは、今後は年商規模や業歴を問わず、勝ち組と負け組の2極化がさらに鮮明になるとし、中小企業を中心に収益悪化の可能性もあると指摘している。