エアアジアは2019年11月15日、自社オンライン・サイト「airasia.com」で、自社だけでなく他航空会社のチケット予約の取扱いを開始した。これにより、ロンドンやマドリッドなど欧州、さらにドバイ、オーストラリア、ニュージーランド路線など、自社では運航していない路線も同サイトで予約できるようになった。
エアアジアによると、同社サイトの月間ユニークユーザー数は5000万人以上。航空会社ではなく、「アジア太平洋地区における旅行とライフスタイルの総合プラットフォーム」化を目標に掲げており、航空券以外にも、ホテル、現地アクティビティなど、予約サービス商品の内容を拡大している。
エアアジア以外の航空券予約の取扱いについては、旅行テクノロジー企業のキウイ・ドットコム(Kiwi.com)と提携し、同社からコンテンツと技術協力を得ることで実現した。今後はさらなる発展形として、航空会社や関係各社との直接提携も模索していく考えだ。
トニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)は「2001年に格安航空会社として創業した当時、まさか競合他社のチケットを売る日が来るなんて夢にも思っていなかった。あり得ないことなんてない、信じられないことを信じろ、というのが実感。キウイ社の協力を得たことで、航空会社という枠を越え、アジア地区のワンストップ旅行ショップになるというビジョンが動き出した」とコメントしている。
キウイ・ドットコムは2012年に創業したチェコの企業。独自のアルゴリズムを使い、インターライン協定のない航空会社間の路線をつなぎ、目的地までのルートを割り出すオンライン検索エンジン。検索対象は世界750航空会社、1日当たりの検索数は1億件。2018年版「デロイト・テクノロジーFast 500社(欧州中東アフリカ地区)」のランキングでは、チェコの企業として最高位の5位にランク入りしている。