観光客の「過剰飲酒」に法規制、スペイン自治州で「観光公害」の対策、アルコール販売時間の制限など

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スペインのバレアレス諸島自治州は、人気リゾート地の3エリアを対象に、過剰飲酒やどんちゃん騒ぎの取り締まり強化に動き出した。欧州では初の法規制化となる。

AP通信によればバレアレス諸島自治州政府は2020年1月17日、パルマ・デ・マヨルカの議会で、パブのはしご酒を勧めるプロモーションやこうした行為の組織的な運営、また「ハッピーアワー」や「オープンバー」などのアルコール販促活動を禁止する法案を可決した。

さらに、ホテルのバルコニーからプールに飛び込む「バルコニング」も、同諸島のすべての島を対象に禁止。これまでに多くのけが人が出ており、中には死亡したケースもあるという。今後、こうした行為に参加した場合は、ホテルからの退去と、場合によっては罰金が命じられる。

新法律の対象となる地域は、中心都市であるマヨルカ島のパルマ・ビーチからアレナル地域までの一帯、マガルフ島、イビサ島の西海岸エリアで、期間は当面5年間と設定している。

マヨルカ島とイビサ島は欧州を代表する人気観光地。海岸沿いの大通りはナイトクラブがひしめき、英国、ドイツ、アイルランドなどからの若者客でにぎわっている。

自治州当局は、今回の法規制について、欧州では前例がない取り組みであり、同諸島におけるツーリズムの質向上、そして観光客と地元居住者、両方の健康と安心のためとしている。世界各地で起きている「観光公害」の流れを受けた動きともいえる。

同法律により、アルコール飲料の自動販売機は違法となり、アルコールを販売する店は午後8時半から翌朝7時までの閉店が義務付けられる。「パーティ・ボート」の許可ライセンスは新規発行を凍結するほか、規制対象3エリアでの利用客の乗船・下船は禁止。違反した場合の罰金額は、6000ユーロ(6660ドル)から60万ユーロ(66万6000ドル)となる見込み。

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