博報堂DYホールディングスのグループ横断型組織「デジタルロケーションメディア・ビジネスセンター」は、昨年度に続き「移動する生活者」に関する第三回の調査を実施した。 東京の30のエリアでそれぞれ一定頻度以上の来訪ログがある対象者を抽出し、移動に関する実態や生活全体における商品/サービスのカテゴリに対する購入・利用状況・意識などを聴取することで、生活者のリアルな行動に基づいたエリアごと・時間帯ごとの訪問者特性を分析した。
今年度はシナラシステムズジャパンと協働し、 位置情報を活用する調査に対して個別明確な同意を取得したユーザーに対してアンケート調査を行うことが可能な「Location Based Research」を活用した。
調査結果によると、平日の平均外出時間は約5.5時間で、昨年度の約5.4時間から微増。浅草(6.3時間)、日本橋(6.1時間)、新橋(6.0時間)、新宿(5.9時間)などのエリア訪問者は外出時間が平均よりも長い傾向となった。
また、平日の平均移動時間は約1.5時間で、昨年度の約1.4時間から微増。表参道(1.8時間)、新橋(1.7時間)、六本木(1.7時間)、大手町(1.6時間)などのエリア訪問者は移動時間が平均よりも長い傾向となった。
訪問者の各年代の含有率が全体より高いエリアは、10代が「原宿」、20代が「後楽園・三越前・浅草・上野」、30代が「表参道・代々木」、40代が「飯田橋・三越前・有楽町・大手町・六本木」、50代が「品川・飯田橋・代々木」、60代が「御茶ノ水・新橋・銀座」。
オンライン・オフラインを含めて購入/利用している商品/サービスのエリアごとの違いも判明。たとえば、40代が多いエリアでは、三越前で「金融商品・チョコレート・アイス・タクシー」、有楽町では「旅行サービス・ビール・日本酒/ワイン」、六本木では「発泡酒・スーパーマーケット・調味料・美容整形」、浅草では「ペットボトル/紙パックコーヒー・サプリメント・衣料用洗剤・機能性食品・保険商品」となった。
さらに、時間帯別でも訪問者が普段購入している商品や利用しているサービスの傾向に違いが見られた。たとえば、渋谷の訪問者を時間帯別に見ると、 朝は「ビール・発泡酒・缶コーヒー・ファストフード・宝石/アクセサリー」、昼は「冷凍食品・スーパー・サプリメント」、夜は「チョコレート・紅茶・発泡酒」、深夜は「ビール・発泡酒・缶チューハイ・缶コーヒー・タバコ・旅行サービス・住宅/不動産・消費者金融サービス」。
この調査結果を踏まえて、同センターでは「東京生態マップ」を作成。エリアごとの来訪者の特性を可視化した。