シンガポール政府、観光リカバリーに向けた「特別チーム」を立ち上げ、新型コロナ後を官民一体で

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シンガポール政府は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大によって、観光産業に大きな影響が出ていることから、将来のリカバリーに向けた取り組みを進めるために官民一体の特別チーム「Tourism Recovery Action Task Force (TRAC)」を立ち上げた。

TRACは、COVID-19からの回復期に向けて今後のリカバリー戦略を策定。官民による取り組みを調整し、効果的な対策を組むことで、シンガポールの観光産業を後押ししていく。

シンガポール政府観光局(STB)は、ホテル、旅行会社、ツアーガイドなどのライセンス料を免除しているほか、COVID-19が確認あるいは疑われるケースでは、ホテルの消毒費を負担しているなど、すでに影響を受けた観光事業者に対する支援を行っている。

STBのキース・タン局長は、「シンガポールの観光産業は2003年のSARS以来、最も困難な状況に直面している。しかし、SARSの時と比べると、観光産業に体力はあり、リカバリーの準備は整っている。過去4年間、シンガポールの観光は成長を続けており、そのビジネス基盤は強固だ」と話している。

2019年のシンガポールへの外国人旅行者は前年比3.3%増の1910万人。現地消費額も同0.5%増の271億シンガポールドル(約2兆400億円)にのぼり、いずれも4年連続で前年比増。訪問者数トップ15市場のうち、中国、インドネシア、オーストラリア、フィリピン、アメリカ、韓国、イギリス、ベトナム、ドイツでは過去最高を記録した。

しかし、STBは、全体の20%を占める中国市場に大きな影響が出るほか、他の主要市場にも影響が広がると予想されることから、現時点で2020年の外国人旅行者数は前年比25%から30%落ち込むと予想している。

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