アメリカのオンライン旅行情報メディア「トラベルズー(Travelzoo)」は、アジア太平洋市場から撤退すると発表した。2019年の同地域の売上比率は全体の5.7%を占めていたが、ここ数年にわたって損失を重ねていた。
米誌「フォーカスライト」によると、2019年の営業利益は北米とヨーロッパで1700万ドル(約18億1200万円)を計上したが、アジア太平洋では前年の630万ドル(約6億7150万円)を上回る750万ドル(約8億円)の損失。これにより全体の営業利益も950万ドル(約10億1300万円)に減少した。
また、1株あたり純利益(EPS)も、北米とヨーロッパは1.01ドルだった一方、アジア太平洋はマイナス0.67ドルと落ち込んでいた。
トラベルズーは2015年にアジア太平洋での事業を開始。2020年頃までの黒字化を目指していたが、利益をあげることはできなかった。
同社のホルガー・バーテルCEOは、「2020年までに株主への利益還元ができなければ、アジア太平洋地区から撤退すると言ってきたが、残念ながら、現在のアジア太平洋の不透明な経済状況では、約束した時間軸で株主利益を達成することはできないと判断した」と説明している。一方、今回の撤退が事業全体に及ぼす影響はないと強調。今後も利益を挙げている北米とヨーロッパの事業に集中していく方針を示した。
アジア太平洋からの撤退によって、今年のEPS(1株あたり純利益)は前年比約200%増になる見込み。
*円換算は1ドル=107円で計算