京急、新規事業創出事業で新たなスタートアッブ10社を採択、デジタル変革でウィズ/アフターコロナ時代の顧客体験向上を

京浜急行電鉄とインキュベーションファンドのサムライインキュベートは、スタートアップとのオープンイノベーションによって新規事業の創出を目指す「KEIKYU ACCELERATOR PROGRAM(京急アクセラレータープログラム)」第3期を開始した。このプログラムは、「モビリティを軸とした豊かなライフスタイルの創出」というビジョンのもと、リアルとテクノロジーの融合による新しい顧客体験(CX)を生み出すために立ち上げられたもの。2017年10月にスタート。3期目は92社が応募し、そのうち10社がプログラム参加企業として採択された。第1期から第3期まで合わせて22社と事業共創を推進しているところ。

京浜急行電鉄新規事業企画室主査の橋本雄太氏はオンライン記者会見で、「モビリティ領域は100年に一度の変革期。移動の変革は、その先に結びつく幅広い産業や業界に影響を及ぼす。既存の枠を超えた、これまでにない発想でのイノベーション創出が求められている」と強調。京急は、このプログラムを通じて、デジタルトランスフォーメーション(DX)を進め、移動の利便性を高めていくだけでなく、多彩で豊かな顧客体験を生み出し、新しいライフスタイルを提案していく戦略を加速させる。

第3期プログラムでは、新型コロナウイルスの影響によって、テレワークやソーシャルディスタンスなど新しい生活様式も重要なテーマになっていることから、ウィズコロナ/アフターコロナ時代に向けたイノベーションの創出を加えた。橋本氏は「新型コロナウイルスは鉄道会社にとってもこれまでにないインパクトを与えている」と話す一方、モビリティやライフスタイルでのDXは予想されたこととしたうえで、「ニューノーマルに向けてDXはさらに進み、元に戻ることはない」との考えを示した。

また、「今後、移動の総量が減っていく一方、相対的に移動の価値が上がっていく。満員電車よりも、移動と移動先の価値が重要になっていくる」と説明。第3期プログラムでは、正確な情報提供、自動化/省人化の推進、ソーシャルディスタンスの確保、MaaSをはじめとする移動手段の拡充、パーソナライされたサービスの提供、リアルな付加価値創出を目指し、10社と協業することで京急グループの価値を向上させていく方向性を示した。

このほか、サムライインキュベートの成瀬功一氏は、アナログアセット時代の社会システムが限界を迎えているなか、オーブンイノベーションとデジタルの活用による体験価値の最大化/最適化がカギになるとの考えを示したうえで、「京急グループでは、鉄道、バス、タクシー、不動産など既存のリアルプラットフォームに多様なサービスをつなげることで、『地域次世代プラットフォーム』を構築し、地域の新しいエコシステムを創り上げようとしている」と説明した。

報道資料より第3期プログラムに採択されたスタートアップには、メディア、観光、ロボット、ドローン、マッチング、予約・検索などさまざまなサービスが揃う。それぞれ、京急グループの各事業シーンでDX推進とCX向上を目指す。

  • AIトラベル: 法人向け出張予約・管理・分析可能なクラウド型サービスの開発提供
  • Elaly: 人気家具ブランドの商品を月額500 円から利用できる定額利用サービス
  • COUNTERWORKS: リテール向けスペースのオンラインマーケットプレイスの企画・運営
  • Carstay: キャンピングカーを通した「移動」「宿泊」などを検索・予約・決済を提供
  • SEQSENSE: 自律移動型ロボット及びその関連製品の開発製造
  • シナスタジア: XRエンターテイメントの提供自動運転車におけるヒューマンマシンインタ
  • フェース開発
  • JX通信社: 自然言語処理/機械学習等の技術で報道機関/一般消費者にニュース関連サー
  • ビスを提供
  • Scheme Verge: MaaSを基盤とした旅程作成・予約アプリ、事前決済・簡易認証プラットフ
  • ォーム開発
  • Mira Robotics: 警備・清掃が可能な双腕ロボットおよびシステムの開発
  • Liberaware: 狭小空間の点検・警備・計測を行う産業用小型ドローンIBIS の開発・提供

報道資料よりZoom記者会見でスタートアップ10社がそれぞれの事業を説明

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