アドベンチャー・ツーリズム・トレード・アソシエーション(ATTA)は、同協会会員会社の顧客に対してコロナ禍での旅行について意識調査を行った。この調査は、全米42州の500人のアドベンチャー旅行者を対象に、今後12ヶ月の旅行意向を調べたもの。
アドベンチャーツーリズムとは、「アクティビティ」「自然」「異文化体験」の3要素のうち、2つ以上で構成される旅行のこと。欧米を中心に時間をかけて楽しむ旅行スタイルが浸透しており、富裕層が長期滞在をおこなったり用具や装備にこだわることも多いため、経済波及効果が見込まれている。
今回の調査結果によると、アメリカのアドベンチャーツーリズム市場は2021年には2019年レベルに回復し、消費額は2019年比で7%ほど少なくなる見込み。旅行市場全体の回復は2024年までかかるとするツーリズム・エコノミクスの予測よりもかなり早い回復だとしている。
この結果から、ATTAではアドベンチャー旅行者が旅行需要回復に向けた起爆剤になるとの見解を示した。
調査結果によると、全体の54%が今後6ヶ月以内に旅行を計画していると回答。そのうち70%が、10人以下の小グループで、自宅から100マイル以上(160キロ)の距離の国内を車で旅行すると答えた。
また、旅行制限が解除されればすぐにでも旅行を開始すると答えたのは全体の25%で、その多くが本格的なアドベンチャーや文化体験を行いたいと回答した。
当分の間、旅行需要は国内旅行が中心となると見られているが、アドベンチャー旅行者に限ると、その37%が今後6ヶ月以内に海外旅行をする意思があると回答。今後6ヶ月から12ヶ月との回答も53%にのぼった。
今後の旅行については、多くの旅行者がツアーオペレーターやツアーガイドは、安全ガイドラインを遵守する必要があるとの認識を示したほか、公衆衛生管理に対するスタッフの訓練、柔軟なキャンセルまたは返金ポリシーを求めていることも分かった。
ATTAはすでに業界横断的なガイドラインに加えて、10の特定アドベンチャー・アクティビティに対して「COVID-19 ヘルス・アンド・セーフティ・ガイドライン」を策定している。
このほか、サステナブルツーリズムについては、アドベンチャー旅行者の66%が「気候変動を心配している」と回答。また、ほぼ同数が、「自分たちが支払ったお金が気候変動対策に使われるのなら、協力したい」と答えた。