世界の観光見本市ITBベルリンは、市場調査機関スタティスタが実施したモビリティ・マーケット・アウトルック(MMO)に基づいた今後の旅行市場予測を発表した。それによると、2021年の世界の旅行収入は前年比50%増となり、2023年以降に本格回復、2025年には2019年比で約23%増加し、過去最高に達すると予測している。
欧州最大の旅行会社はTUIは、今夏の旅行需要は「通常」に戻ると予想。ワクチン接種の進捗状況やロックダウン期間など現状の変化を考慮する必要があるが、欧州の消費者の旅行意欲は高いと見ている。
ドイツの旅行市場を見てみると、2020年の国内旅行市場の売上高は前年の2590億ユーロ(約32.4兆円)から1730億ユーロ(約21.7兆円)に減少したものの、旅行市場全体に占めるシェアは85%から91%に拡大。国内旅行は早ければ2022年に2019年レベルに回復すると予測している。2020年の国際市場の売上高は60%減の見込み。
アリアンツ・パートナーの調査によると、パンデミックによって、ドイツ人旅行者のデスティネーション選択基準が変化。パンデミック前は長距離旅行を望む割合は22%だったが、パンデミック後はわずか6%に減少した。その代わり、「ステイケーション」を望む割合が30%から61%に急増。グーグルで「バケーション、ドイツ」のキーワードで検索された数は、昨年5月で前年比の3倍に増加した。
そのうえで、スタティスタは、AIベースのパーソナライゼーションサービス、VRなどの新サービスなどテクノロジーイノベーションが業界の反転攻勢に好影響を与えると予測している。
※ユーロ/円の換算は1ユーロ125円でトラベルボイス編集部が算出