世界観光機関(UNWTO)は、2020年の海外旅行市場の損失額は、2009年の世界経済危機に記録した損失額の11倍にあたる1兆3000億ドル(約136兆円)にのぼり、過去最悪になったと発表した。直接影響を受けた観光産業従事者は世界で1億人から1億2000万人にのぼり、その大部分が中小企業だったという。
海外旅行者数は世界平均で前年比74%減。地域別に見ると、海外旅行者数が最も減少したのは、最初にパンデミックの影響を受けたアジア太平洋で同84%減、ヨーロッパは同71%減、南北アメリカは同69%減となった。
UNWTOの専門家パネルによる2021年の予測では、45%が2020年よりも「改善する」と回答した一方、「同じ程度」が25%、「悪化」が30%となり、悲観的な見方が大半を占めた。
また、回復時期について、「2022年」との回答は全体の50%にのぼり、前回2020年10月の調査の21%の倍以上となった一方、「2021年」との回答は前回の79%から50%に減少した。地域別に見ると、アジア太平洋では「2022年」が64%、南北アメリカでも58%となった一方、ヨーロッパで最も多かったのは「2021年第3四半期」の48%だった。
2019年水準への回復については、全体の43%が「2023年」、41%が「2024年以降」という結果となった。
※ドル円換算は1ドル104円でトラベルボイス編集部が算出